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二十四日『暗黒の木曜日』
――は? 嘘だろ?
全部溶けてしまった冷凍食品を前に、信周は呆然としていた。大学進学時に購入した小さな冷蔵庫、ついに寿命が尽きてしまった。思い返せば、最近変な音がしていたような気もする。
野菜は昨日ちょうど食べきったところだった。今日は冷凍庫の食材を食べなくては。晴日ならきっと美味しく調理してくれる。無駄にはしない。だが。
――冷蔵庫どうすんの? 二人用の大きめのに買い替えるか? ああ、でももうすぐハルの誕生日なのに……。
突然の大出費に信周は頭を抱えた。
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