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八日『おもてなしの心の日』
コツ、と足に何かが当たった気がして信周はベッドの下を覗き込んだ。
――え、何でこんなところに?
隅に転がるのは小さな電動の大人のおもちゃ。信周は急いでクローゼットにしまっておいた箱を確認した。きちんと収納していたはずの大事なグッズたちが乱雑に詰め込まれている。
――まさか、ハル……?
信周の頭の中で一人遊びする晴日の映像が流れた。そういえば、のりのりでビキニを履いているところを目撃したこともある。自分がいない間に晴日が一人で遊んでいるなんて……?
――……さ、最近忙しかったもんな、寂しかった……とか? 今度俺がしっかり可愛がってやらないと。
素知らぬ顔で箱を戻す。が、信周は動揺を抑えるのに必死だ。
【参照◇十一月一日『諸聖人の日』】
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