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九日『IT断食の日』

「ただいまぁ。あれ、ノブくん?」  今日は信周が早く帰宅しているはずなのだ。息せき切って家に飛び込んだ晴日は、シンとしたリビングを見渡し、首を傾げた。信周は電気も付けたままぐっすりと眠っていた。  ――仕方ないか、ずっと忙しかったもんね。  晴日はがっかりしてリビングに戻ると、信周の通勤バッグに付けられた犬のマスコットちょんと指でつついた。 「お前はいいよねぇ、いつもノブくんと一緒にいれて」  揺れるマスコットに晴日は話し掛け始める。 「あのね、俺もうすぐ誕生日なの。ノブくんがディズニー連れて行ってくれるんだよ。……あ、だから」    ――最近ずっと忙しかったのは、休み取るため……?  はっとする晴日を信周似のマスコットがゆらゆらと見つめている。     【参照◇十一月二日『書道の日』】

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