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十六日『紙の記念日』

 ティッシュでテーブルを拭こうとする信周を晴日が止めた。 「ノブくん、テーブル拭くならこっち使って」    晴日はコンパクトなビニール包装のティッシュを差し出した。信周が持っている、可愛いアザラシが印刷された箱ティッシュと交換。 「この高級ティッシュはね、鼻かむ専用なの」  晴日とアザラシの真っ黒な瞳が信周を見つめている。何だかそっくりな二人(一人と一匹)である。

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