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あの大きなモノが、今度こそゆっくりと、確実に俺を貫いていく。
「あぁぁぁ...っく...ぅ......」
中心から裂けてしまうんじゃないかという恐怖心と、少しずつ内臓を押し上げられる感覚にまた歯を食いしばりそうになり、頭を振りながら懸命に『フーッフーッ』と大きく息を吐いた。
腰に巻き付けていた俺の脚を掴んだ亮治は、そんな俺を見ながらも止まる事なく腰を推し進めてくる。
どれだけ大きいんだ。
どれだけ長いんだ。
瞼の裏がチカチカと光り、そのままフッと感覚が消えてしまいそうになる。
痛みと苦しさに途切れそうな意識を無理矢理引き戻すのも、やはり痛みと苦しさだった。
「もうちょっとじゃけね...ちゃんと入ったら、ちぃと休憩するけ...もうちょっとだけ頑張って」
ジリジリと切っ先をめり込ませながら、まだ中に収まり切らない部分に更にローションをぶちまける。
もう一本使いきってしまったのか、亮治はボトルをポンと後ろに放り投げた。
「も、もうええけ...さっさと来い!」
じわじわといつ終わるともわからない苦痛が続く事に耐えられない。
それならば一気に貫いて欲しい。
もう気を紛らせる事にもなりはしないのに、俺は自分の中心を惰性のまま擦り叫んでいた。
亮治は一度『チッ』と舌打ちをすると、俺の脚をしっかりと掴み直す。
「せっかく我慢しよったのに......」
苦々しげに吐き出すと、鋭くなった視線が俺をしっかりと捉えた。
飢えたその瞳に、一瞬瞬きすら忘れる。
普段は隠したこの獰猛さこそが亮治の本質なのだと思えば、何故か萎えたままの俺の中心がドクドクと大きく脈打った。
中で猛ったモノが、微かに後退りする。
『え?』と思った瞬間、まるで反動を付けたように一気に奥まで突き抜けた衝撃。
雷に打たれたように仰け反り、体が勝手にビクビクと痙攣を起こす。
俺は目を見開いたまま、ただひたすらハクハクと頼りなく息をする事しかできなくなっていた。
「入ったよ...お待たせ......」
ゆっくりと体を倒し、亮治は小さな震えの止まらないままの俺の体をしっかりと抱き締める。
「しばらくこのままでおる。少し落ち着いてきたら...教えて」
俺が答えられるとも思っていないらしい。
汗で張り付いた俺の前髪を丁寧に払い、額に優しく口付けてくる。
喉の奥からはヒュッと変な音が鳴っている。
痛みどころではない衝撃に、どうやら呼吸の仕方も忘れてしまったらしい。
息を吸いたいのに、なんだか上手く酸素が入ってこない。
それに気付いたらしい亮治が、俺の頬を両手でしっかりと包み、コツンと額を合わせた。
「まだ動かんよ...大丈夫じゃけ。無理に息吸おうとせんでええし、無理に吐かんでもええ。俺のチンチンがたかちゃんの中におるって事だけ考えて...ね? たかちゃんが頑張ってくれたけ、こうやって俺のん全部入れられたんよ? ありがとね...たかちゃんがあんな風に言うてくれんかったら、俺まだどのタイミングで動いたらええんかわからんかったかもしれん」
さっきのあの突き刺すような視線が嘘だったように優しく穏やかな声。
その声のまま啄むだけのキスを繰り返され、段々と呼吸が規則的になってくる。
「亮治...入れてみて...どう? ちぃとは気持ちええ?」
「ちぃとどころか、えっと気持ちええよ。熱いし、ギュウギュウ締め付けてくるし。何よりたかちゃんに包まれとるだけで最高に幸せ」
「ほうか...俺は、ごめん...まだ全然気持ちええ事ない」
「......じゃろうね」
「ほいでも、俺の中に来るって瞬間のお前の顔見よったら、チンチンがちょっと反応したし......」
「え? そうなん?」
「うん。何より今、俺の体がお前を包んどると思うたら...ぶち幸せじゃ」
俺からもキスを返した途端、俺の中のモノがググッと更に体積を増した。
慌てて唇を離し、亮治の額を力の入らないままでペチッと叩く。
「お、お前...何を大きいしよんな!」
「これは不可抗力。可愛い事言うて俺を煽ったたかちゃんが悪い。俺の意思ではどうにもできんけ我慢して」
煽られたと言いながら、亮治は本当に体を動かさないように必死で堪えてくれている。
俺は覆い被さる広い背中にそっと手を回し、その時が訪れてくれるのをただ呼吸を整えながら待った。
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