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第13話 僕の知らない事

僕の疑問に、悠太郎と尊は目を見開いてお互いの顔を見合わせた。尊は俺の顔を見つめると、チラッと悠太郎を見てから小さな声で言った。うん?内緒話なのか? 「…理玖がちょっと世間ずれしてるのは、まぁ三好家が過保護で有名だからしょうがないとして、流石にこの事を知らないってのは不味いと思うぞ?まぁ三好家がそう言う方針なのかもしれないけどな。 …彗さんて、今何歳だっけ?え?大学1年?αだよな?誰かと婚約してないの?そっか。まぁ皆が皆、そうじゃないけどな。 約束ってのは、お互いのパートナー候補になるって事。お試し的なのも含むし、運命の番くらいハッキリした相手だったら、高校生ぐらいでも婚約してるかな。」 僕は尊の言うパートナー候補とか、婚約とか番とか、一気に情報が頭の中を駆け巡ってぼんやりしてしまった。でも、かろうじて僕の頭の中によぎった情報を引っ張り出して尋ねてみた。 「ねぇ、約束の相手ってデート相手って事?」 僕は彗兄や、涼兄がデートにしょっちゅう出掛けていくのを知っていた。僕はそれを眺めながら、野村さんに僕も中学生になったらデートしたいって言ったら、坊ちゃんは旦那様から承諾が出るか分からないってモゴモゴ言ってたっけ。何でだ。 悠太郎は僕の顔を見つめながら尋ねてきた。 「約束はもうちょっと公式の物だけど、…理玖はデートしたいのか?」 僕は自分の髪が伸びてきたなぁと髪を引っ張りながら、答えた。 「んー。どうかな?兄さん達がしょっちゅう誰かとデートしてるから、僕もしてみたいかも。でもデートって何するんだろ。何するのか知ってる?」 僕が二人の顔を見ると、ミコトがニヤリと笑って言った。 「じゃあさ、何にも知らない理玖に悠太郎がデートってのを教えてやれよ。一緒に楽しく遊ぶだけだから、きっと楽しいぜ?理玖も誰かとデートしなきゃいけなくなったら、色々知ってた方がいいだろ?」 僕は二人がデートに行ったことがあるのかとびっくりしてしまった。僕はおずおずと二人に尋ねた。 「えっと、デートした事あるの?え?誰と⁉︎」 二人は気まずげに目を逸らすと、ミコトが咳払いして言った。 「あー、なんて言うか多分、理玖以外は経験あると思うぞ。お前の親はガードが硬くて全然許可が下りないんだ。普通は約束に向けて練習って意味でデートくらいさせるんだけど。だから、余計お前はもう約束があるのかって聞かれるんだと思う。」 僕は色々衝撃的過ぎて、目をパチパチさせながらミコトの話を聞いていた。

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