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第15話 悠太郎side理玖とデート

俺は今、尊のナイスアシストのお陰で理玖と念願のデートをしてるんだ。俺と繋いだ理玖の手は、幼い時にいつも繋いでいたあのぽちゃっとした小さな手じゃなくって、少しヒンヤリしていて柔らかくて華奢だ。 俺は横目で今日の凄まじく可愛い理玖を盗み見た。俺より15cmほど背が低い理玖は小柄ってわけじゃ無いけど、細身で手足が長いのに顔が小さいからモデルや芸能人みたいだ。 黒目がちの大きな瞳で見つめられると、俺は昔から魔法にかかった様に動けなくなっちゃうんだ。自分でも拗らせてると思うけど、理玖が可愛すぎるのが悪いと思う。 今日だって黒いピッタリしたタンクトップの上に、透け感のある白い薄いパーカーを羽織って来た。色白の肌が透けてドキドキする。シャカシャカした素材のカーキのちょっとダボっとしたパンツをロールアップして、足元のカラフルな靴下と白いハイカットシューズが可愛さを引き立ててる。 理玖の靴下をぼんやり眺めていた俺を急に覗き込んで来た、理玖のドアップに俺はびっくりして心臓がドキドキだ。 「なぁ、どこ行くって?」 俺は気を引き締めてミコトのアドバイス通りデートプランをお披露目した。 「映画行こう。理玖観たいって言ってただろ?デートじゃ定番だし。」 映画館で俺は理玖と恋人繋ぎしたり、ポップコーンをあーんしてあげたり、ジュースで間接キスしたりと理玖が何も知らない事をいい事に好き放題だった。理玖はちょっとアワアワして、顔を赤らめて恥ずかしがったけど、デートとはこうゆうものだって言って押し通した。 最終的には理玖も諦めたのか、開き直ったのか自分から俺に寄りかかって甘えてきたから堪らなかった。思わずキスしそうになったけど、流石にそこまでするのはヤバい気がして我慢した。 俺、本当に拗らせてるんだ。理玖が一番大好きな人が篤哉君だってことも、篤哉君も理玖が中学生になるの待ってるってことも知ってる。 でもそうやって篤哉君が理玖に手を出せない今、俺のチャンスが有るんじゃないかなって思ってる。まだ理玖が色々気づく前に俺は理玖の心の中へ入り込みたいんだ。せっかくミコトが作ってくれたチャンスを頑張って活かすよ。 俺は顔を赤らめた理玖が、頬にキスした俺にもっとドキドキしてくれと願いながら、理玖の家の前で手を振って別れたんだ。

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