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第19話 暫定クラス
中学部のオリエンテーションは1ヶ月に渡って行われる。僕はスケジュールの冊子を眺めながら、グループ分けされた教室へ入っていった。悠太郎とは別れてしまったけれど、尊が一緒なので心強い。
もちろん附属からの生徒が半分ぐらい居るので、見知った顔にニコニコと挨拶して、自分に与えられた番号の机に向かった。尊の番号は教室の入り口近くだったので、僕は初めて見る生徒達にじろじろ見られながら窓際の席にたどり着いた。さすがに緊張するな…。
背の高い若い先生が入ってきて、僕らを見回しながら言った。
「初めまして、新入生諸君。小学部からの内進生も、中学部から入学した外部生達も、このオリエンテーションを通して親交を深めて欲しい。
内進生達は、この学園について知っている事や、裏情報なども外部生達に沢山教えてあげて欲しい。君達がこれから中学、高校、場合によっては大学までの10年間、より良い仲間になれると先生は信じているよ。
さて、このクラスはオリエンテーション中だけの暫定的なクラスだけれど、リーダーを決めたいと思う。誰かやりたい人はいるかい?」
生徒達がキョロキョロ騒めく中で、一人の生徒が手を上げた。見たことの無い顔だったから、きっと外部生なんだろう。中学1年生のわりに大人びていて、悠太郎ぐらいの恵まれた体格だ。
短髪の野球部の様なキリッとした顔つきで周囲を見回したその生徒は、僕と目が合うと眉間に皺を寄せた。あれ?何か嫌われたっぽい?
結局その吉良好輝くんがリーダーをする事になった。壇上に立った吉良くんは開口一番、僕を指差した。
「4番の君、君に副リーダーをやってもらいたい。」
僕は自分の机の番号を確かめると、もう一度吉良君を見上げた。やっぱり僕なの?断れる雰囲気じゃなくて、吉良君と一緒に教室の壇上に立った僕は、暫定クラスメートの前で自己紹介する事になった。
尊が僕を見上げてニヤニヤしているのが何か嫌だ。僕は尊の方を見ないようにして前を向くと、突き刺さる様な生徒たちの視線に向かって口を開いた。
「三好理玖です。小学部出身です。僕がなぜ吉良君から指名を頂いたのかは不明ですが、一ヶ月副リーダーとして頑張りますので宜しくお願いします。」
僕は隣の吉良君が相変わらず僕を睨みつける様に見つめているのを感じた。何だか目を合わせたら噛みつきそうだなと思いながら吉良君に愛想笑いをしたんだ。
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