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第31話 あっくんのお部屋で
誰も居ないの⁉︎ 僕の頭の中は嬉しいやら、でもちょっと困っちゃうような、なんとも言えない気持ちになった。うん、ちょっとパニックだ。だって僕、あっくんともっとイチャイチャしたいんだもん。
あっくんは僕のほっぺを突っつくと、ニヤっと笑って言った。
「あ、理玖がいけないこと考えてる。俺は理玖の事、大事にしたいからなー、誘惑しないでくれよ?」
あっくんの部屋に通された僕はちょっと拗ねて、口を尖らせて言った。
「違うもん、今日はちょっと聞きたいことがあっただけなの。」
テーブルに僕の好きな炭酸ジュースを置いた後、あっくんは僕に手を伸ばして引き寄せると、いつものように膝の間に抱き抱えてベッドボードに寄り掛かった。僕は微笑んでるあっくんに自分からキスをした。
あっくんの一見冷たく見える切れ長の目は、今は甘く優しく僕を見つめていた。僕は嬉しくなって柔らかくついばむ様にあっくんの唇に纏わりついた。でも段々それだけじゃ物足りなくなって、僕はぎゅっと唇を押しつけてからゆっくりねだる様に舌であっくんの唇をなぞった。
そっと開いたあっくんの口内へ舌先を伸ばすと、僕はあっという間にあっくんに絡め取られて、反対に僕の口の中はあっくんでいっぱいになってしまった。
甘やかに撫でまわる厚いあっくんの舌はとても気持ちがよくて、いつも僕は蕩けて力が入らなくなる。
無意識にあっくんのサラサラな長めの髪に手を差し込んでいた僕は、髪をぎゅっと握り締めた。するとあっくんはキスをやめて僕の顔を覗き込んだ。
「…それで?俺に聞きたい事って何?」
僕はまだキスでぼんやりした意識をゆっくり上昇させながら、あっくんに聞きたい事を思い出した。でも、思い出したからって聞ける質問でもない…。僕は今日悠太郎達と会話した話をする事にした。
「あのね、僕、学校へもネックガードして行こうと思って。最近上級生が部活中にヒートになって、周囲もヤバかったんだって。でね?僕もそろそろした方がいいって尊達が言うんだ。
それと、これはあっくんに相談なんだけど。僕もちょっと最近、何かおかしくって…。」
あっくんは難しい顔をして、僕をぎゅっと抱きしめると耳元で言った。
「そっか。理玖も最近急に大人っぽくなってきたから、ネックガードはした方が良いな。万が一って事もあるから、俺もその方が安心だ。…それで?何がおかしいんだ?」
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