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第35話 先に進んでもいいでしょ?
僕を悪い子だと言いながら、うっとりするような甘やかな眼差しで見つめられた僕は、一気に心臓がドクドク跳ね上がった。ああ、僕死んじゃいそう。だって、きっと今までしたことの無いエッチな事、あっくんとするんでしょ?
僕は期待のせいなのか、不安のせいなのか、興奮のせいなのか分からなかったけれど、指先が震えるのを感じた。そんな僕をなだめる様に、あっくんは僕を抱きしめるとささやいた。
「理玖、服を脱がしてもいいかい?」
僕はきっと今、顔が真っ赤だと思う。今まで洋服越しに撫でられた事は有るけど、直接裸に触れられた事は無いんだ。洋服越しでも胸元を強く擦られて、痺れるような気持ちよさで逝きそうになった事もあるのに、僕、耐えられるだろうか。
それに僕だけ裸なんて恥ずかしい…。
「あっくんも脱ぐの…?」
僕があっくんを見つめて尋ねると、あっくんは僕を苦しげに見つめて言った。
「きっと、俺まで脱いだら歯止めが効かなくなりそうだ。…でも、そうだな。上は脱ぐよ。」
そう言って、おもむろに制服のシャツを脱いだ。シャツの下から現れたのは、予想より鍛えられた筋肉だった。僕は思わずうっとりと指を伸ばして鎖骨の下の厚い胸板に触れた。
「…すごい。あっくんの筋肉、綺麗…。」
あっくんはクスっと笑うと、僕をグイッと引き倒して僕に覆いかぶさった。ベッドに横になるのは初めてだったので、僕はドキドキしていたけれど、あっくんの優しい口づけにあっという間に夢中になってしまった。
あっくんの甘いような唾液が僕の口の中に流れ込んで、僕は柔らかな粘膜を撫でられながらコクリとそれを飲んだ。あっくんのいつもと違う支配するようなキスに夢中になっていると、僕はいつの間にかシャツのボタンが外されて胸元がはだけていた。
あっくんは僕から荒い息遣いと共に顔を引き剥がすと、ゆっくりと僕の裸を確認するように指先で撫で始めた。
「あぁ、理玖の身体は美しいな。食べちゃいたいくらい美味しそうだ。…キスしていいかい?」
そう言って、僕が返事をする前に首筋からゆっくりと唇と舌でなぞっていった。僕はゾクゾクする気持ちよさと、何だかいけない事をしてる背徳感で、さっきよりも息が荒くなっていた。
シャツの下を這い回るあっくんの大きな手が、僕の背中の素肌をゆっくり持ち上げた。僕は仰反るような姿勢で、閉じていた瞼を開けた。目の前のあっくんのギラついた男くさい眼差しに絡められて、僕は目を逸らすことが出来なかった。
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