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★学校生活の楽しみ★ 第39話 悠太郎side変わるもの

 俺と尊はいつもの学校カフェテリアで理玖を待っていた。入学時にバース判定があってから、俺たちは離れ離れのクラスになった。理玖はΩしか居ないクラスで、25人ほどのメンバーのうち男子は理玖ともう1人早川ってやつだ。  理玖曰くは、理玖がαの俺たちと親密なのが評判悪いみたいで、少々クラスメイトにやっかみ混じりのイヤミを言われるんだって笑ってた。  まぁ、事情を知らないと、理玖が約束相手がいるのに俺たちαをはべらしてるように見えないこともない。元々理玖は人好きで、ベーターの友達も多いし、それこそαには未だに地味に狙われてるし。  俺たちは自主的に、あとは理玖のお兄さんの高等部の三好会長と、副会長の『あっくん』に理玖を頼まれてるってのもある。しかしあの二人が高等部トップ1、2ってのも凄いよな。  でもそのお陰で理玖が変な奴らに絡まれないって事もある。  俺はふと尊に気になっていたことを尋ねた。 「なぁ、もうすぐ中学部の来期の生徒会選挙の立候補シーズンだろ?尊はどうする?」  尊はコーヒーフロートを突っつきつつ、カフェテリアの入口を見ながら言った。 「どうするって?立候補するかどうか?あー、吉良が出てくるんじゃね?あいつ野心家だから。俺はちょっと面倒いかな?悠太郎は?」  俺はジンジャーエールをストローでぐるぐるかき混ぜて立ち昇る泡の渦を眺めながらボソッと言った。 「…そうだな。もし立候補するんなら、理玖も入れるとかってどうかな。生徒会枠でΩってなかなかポジションなかったろ?でも理玖は勉強も出来るし、人気もある。実力は十分だろ?  まぁ、出来るだけ俺たちの側に置いておいて、守ってやりたいって感じもあるし。」  尊は俺の方をチラッと見るとニヤリと訳ありな笑みを浮かべた。 「…なんだよ。」 「いいえ、何でもありませんよ?まぁそれも良いかもな?このご時世なんだから、Ωにもちゃんと生徒会出来る実力あるってところあちこちに見せつけんのも悪くないし。  じゃあさ、トップ1、2はお前と吉良で決めてさ、あとは指名制なんだから、適当に選んでよ。俺も会計辺りならやっても良いぜ?」  俺は尊をじっとりと見つめるとボソッと言った。 「何かさ、お前が会計とかいうと使途不明金とか出そうなんだけど。」  そう言う俺に尊はパチンとウインクすると、カフェテリアの入口に立って俺たちを探す理玖に手を振ったんだ。

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