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第52話 ピロートーク

 あっくんが起き上がると、目の前のドロドロの惨状に慌て始めた。 「ああ、理玖ごめん。酷いことになってるな。これ、シャワーしないとダメだろ?」  僕はクスクス笑いながら、顔についたあっくんの白濁を指で撫でた。 「あっくんのこれ、びっくりするくらい沢山出たね?あっくんてやっぱりアルファなんだね。アルファって色々凄いってこと、ちょっと分かっちゃった。ふふ。」  そう言って指についたそれを舐めると、あっくんはゴクリと喉を鳴らした。 「…理玖、これ以上俺を煽るのはやめてください。ああ、やばい。理玖が本気出したら、多分俺死ぬ。」  そう言って僕の太ももに吸い付くから、僕はチクッとした痛みにちょっと震えた。 「なんか、今日のあっくん凄かった。…いつもと違った、でしょ?」  僕がさっきのチカチカする様な快感を思い出して尋ねると、あっくんは僕の腿から唇を離して言った。 「今日は理玖が可愛すぎるし、魔性だから思わず指3本入れちゃったんだ。痛かった?」  僕は目を見開いた。3本⁉︎僕は腿を掴んでいるあっくんの指を盗み見しながらドキドキした。だから、いつもと違ったんだ…。やばい。僕どんどんエッチになっちゃう。 「…痛くなかったけど、なんか目の前がチカチカしちゃった。…あっくん、僕の愛撫気持ち良かった?」  僕が起き上がると、あっくんは僕を眩しそうに見て言った。 「ああ、凄い良かった。ありがとう、理玖。愛してる。」  そう言ってあっくんは僕の手を握った。僕は幸せでふわふわとしていたけど、ハッと自分のドロついた惨状を思い出して眉を顰めて言った。 「あっくん、とりあえず僕シャワー浴びたい…。」  それから僕はあっくんと二人でイチャイチャしながら、シャワーを浴びるとあっくんが用意してくれている僕の私服に着替えた。最近はあっくんの用意するエッチな下着にもすっかり慣れちゃった。  今度僕もあっくんに際どいビキニの下着をプレゼントしようかな?着替え終わった僕は、あっくんの腕の中で音楽を聴きながら取り止めのない事を話した。  僕はエッチな事も好きだけど、こんなまったりとした時間も好きだ。時々こめかみや髪にチュってキスされると、凄い甘やかされてる気がしてクフフと喜びと笑いが込み上げてくるんだ。 「そう言えば、今日あっくんのあれ、威嚇オーラ?あれってなあに?僕、よく分からなかったけど、尊が文句言ってたでしょ?」  僕はその時、背中を預けているあっくんの顔が曇ったのに気づかなかった。それが、僕が巻き込まれる不穏な出来事の始まりだったって事にも。

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