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第115話 ベッドタイム※

 あっくんは僕を焦らしてるのか、あちこちにキスするのに、肝心の胸のてっぺんは避けていて、僕は焦れて懇願するしかなかった。 あっくんは記憶を無くしたけれど、僕を焦らして苛めて可愛がるのは前と一緒だった。  あっくんの性癖だったんだろうか。あっくんは僕のおねだりが好きらしくて、僕が恥ずかしい事を口にするまで愛撫に勤しむんだ。僕も嫌いじゃないけどね…。  舌を絡めあって、甘く動くあっくんの舌は熱かった。僕はあっくんの舌が美味しくて、コクコクとあっくんの唾液を飲み込んだ。 「…理玖可愛い。俺の唾液美味しい?本気出していい?」  そう、ぶつぶつ言うと、僕の胸の尖りを甘く吸い上げ始めた。僕は大きく喘いで、あっくんの肩に爪を立てた。最近の僕は胸への愛撫が恐ろしく感じてしまうんだ。  実際痺れるような快感が脳天に突き刺さるようだ。あっくんはこれでもかとばかりに僕の胸を可愛がった。舐めてつまんで吸い上げて、果てには甘く噛むから、僕の尖りは赤く充血してしまってる。 「あっくん僕もうだめ、逝っちゃうよ…。」  僕のビクビクと震える昂りを見下ろすと、あっくんは舌なめずりをした。そして、その僕の両腿を抱え上げるとパクリと僕のそれを咥えた。僕の既にギリギリなそれは、あっくんに口の中で撫でられて、吸い上げられて、一気に高められてあっという間に白濁を吐き出してしまった。  腰をビクビクと震わせて息が止まるような快感の中で、あっくんは僕の濡れた昂りを美味しそうに舐め回した。 「あぁ、理玖のこれ美味しいよ。まだピクピクしてるね。それにこの胸の尖りも石のように硬くなってる。きっと今吸ったらもう一回逝っちゃうんじゃない?」  そう言って僕を見上げるあっくんは、今日は何だかお喋りだ。でも、そんなあっくんも嫌いじゃない。でも僕はさっきからキュンキュンと欲しがる後ろのはしたない窄みに、あっくんの逞しいそれが欲しかった。 「挿れて、あっくん。僕待てない…。」  僕のおねだりに目を細めたあっくんは、大きく息を吐き出すと呟いた。 「…もっと焦らしてぐずぐずにしたかったのに、理玖に強請られたら俺も我慢出来ないんだ。」  そう言って、僕の中にゆっくり入ってきた。僕の中にいるあっくん自身は既に逞しい。いつも感じる弱い場所を、あっくんは柔らかく突いてきて、それはあっくんが顔から汗を滴り落とすまで続いた。  僕はもう喉から出る嬌声が枯れてきていて、あっくんに再び懇願した。 「あんっ、んーっ!あっくん、奥に、きて!」  僕の両手を頭上に押さえつけたあっくんは、今度は抉るように腰を深く突き出した。僕は閃光が瞬いたような衝撃を感じた 。  緩やかに浅い場所を突かれる時の快感も好きだけれど、こんな 激しい快感に呑み込まれるのはちょっと恐怖も感じるけれど、あっくんと一緒ならいい。僕は只々あっくんの繰り出すリズムに乗せられて、落ちてこない気持ち良さに舞い上がった 。  耳元で切羽詰まったあっくんの『理玖、逝くっ!』と言いながらの大きな雄叫びをあげて抱きしめて、僕もまた何度目かの絶頂に舞い上がった。あっくんの切羽詰まった声が好きだ…。僕は薄れる意識の中でそんなことを思った。

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