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第8話 エロいことすんの?(6)★

 明に両膝を抱えられて、陰部を突き出す格好になる。  突然のことに驚いていたら、明は千佳の内腿に自身を挟み込んできた。さらに片手でローションのボトルを開け、中の液体で触れ合った箇所を濡らしていく。  ここまできたら、さすがの千佳でもわかる――つまりは《素股》ということだろう。 「このまま閉じてられっか?」 「お、おう。頑張ってみる」  ぎゅっと太腿を締めると、おずおずと明の顔を見上げる。彼が浮かべていたのは、慈しむような表情だった。 「動くぞ」 「っあ……」  静かに告げて、明が律動を開始した。  肉付きの薄い太腿の間を、雄々しい男根が何度も行き来する。そのさまは卑猥だった。 「これ、マジで入ってねーの? なんか、入ってる感じする……っ」 「俺も、千佳のこと抱いてるみてーで興奮する」 「ん、あ――なにエロいこと言って、うあっ」  明が腰を動かすたび、こちらも裏筋や陰嚢が擦れて堪らない。知らずのうちに自身も元気を取り戻して、腹に付かんばかりに反り返っていた。  次第に二人の呼吸が荒くなる。興奮して体温が上がり、汗ばんでいくのを感じた。 「あ、あきらっ……気持ちい?」 「ああ。すげーいい……」 「んっ、明の……ガチガチなってんの、わかるっ……」  明のものが熱くなっていくのを素肌で直接感じる。時折漏らす吐息は熱っぽく、いつもの冷静さも余裕も、今は毛ほども感じられない。  そのことが嬉しくて、屹立を圧迫するように千佳は内腿に力を入れる。途端、明が息を呑む気配がした。 「っ、それヤバいって。すぐ出ちまう」 「ははっ……出しちまえよ。明が気持ちよくなってくれんなら――俺、嬉しいもん」 「……バカ野郎。ンなこと言われたら、加減できなくなんだろっ」 「っあ!? や、あっ」  明はさらに身を乗り出し、激しく腰を使い始める。  腰を打ち付けられるたび、パンッと肌がぶつかる乾いた音が響いて、まるで本当にセックスをしているような感覚を覚えた。密着した部分から聞こえる水音も生々しく、ますます興奮が掻き立てられていく。 (俺も……明と一緒にイキてえっ)  与えられる快感に我慢がきかなくなり、千佳は滾った自身へと手を伸ばした。濡れそぼった先端を擦り上げた瞬間、目の前に火花が散るような衝撃が襲ってきた。 「あっあ、あぁ……」  上擦った声が口から零れ落ちる。けれどもう、気にしている余裕はなくて、千佳は無我夢中になって快楽を追い求めた。  明の動きに合わせて自身を扱けば、すぐに絶頂が見えてくる。明も限界が近いらしく、ラストスパートをかけるように腰使いが荒々しくなった。

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