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第8話 エロいことすんの?(5)★

「勃ってきた。ちゃんと感じてんだな」 「っあ、ん……うそ、マジで……っ」  その言葉どおり、一度は萎えたものが頭をもたげていた。  明はフッと笑うと、三本目の指を飲み込ませてくる。 「ケツいじられて感じてんの、すげーエロくて可愛い」 「可愛い、って……ちょ、や、ぁっ」  規則性なくバラバラに指を動かされて、腹の奥底がきゅっと疼く。  なんだか自分ばかり快感によがっているようで複雑な気分だ。せっかくの機会なのに、明はこれでいいのだろうか。 「んあっ、いつまで、すんだよ……お前だって、ガン勃ちさせてるくせにい……」 「『好きにしていい』つったろ。俺は優しくしてやりてえの」 「いーから……明の、もう挿れろよっ」  じれったくなって、恥ずかしげもなく口にする。  すると明は動きを止めてから、困り顔でため息をつくのだった。 「初めてなんだから無理だ。今日のとこは指だけにして、少しずつ慣らして――」 「俺、明と一緒に気持ちよくなりたいんだって! ここまで言わねえとわかんねーの?」 「………………」  明が黙り込む。その眉間には深い皺が刻まれていた。  しばらくそうして考え込むようにしたあと、渋々といった感じで口を開く。 「そんなに言うなら、試しに挿れっけど……駄目だったら絶対に言えよな」  明が腰を据えて、千佳の脚を高く持ち上げてくる。  狙いを定めるように自身を数度擦りつけ、ゆっくりと挿入を開始するのだが、 「ごごごめん! 無理無理無理ぃ!」  千佳の情けない声が上がり、明も即座に身を引くこととなった。 「だから、言わんこっちゃねえだろ」 「うええ、半端なかった……ケツが崩壊するう」  指とは比べものにならない質量で、これは確かに無理だと思い知らされる。先端が潜り込んできただけでも体を裂かれる感覚がして、苦しさに息が止まりそうなくらいだった。  あんなものを突っ込まれたら死んでしまうかもしれない――千佳が涙目になっていると、明が優しく頭を撫でてくれた。 「俺のことはいいから。こうしていられるだけで十分だよ」 「でも、このままで終わるのは……なんかヤだし」  我ながらワガママだと思うけれど、どうしても譲れない。この中途半端な状態のまま終わらせるのは嫌だった。  しかし、どうにかしたいと思う反面、どうすればいいのかわからなくて困ってしまう。そんなこちらの心情を察してくれたのか、明は優しげに目を細めた。 「脚、ちょっと借りるな」 「うおっ」

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