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第30話あの日から
そんな時だっただろうか
「家でAV鑑賞会やろうぜー」
良くつるんでいた山田と坂野の4人で放課後急にそう言う流れになった。
その頃山田はエロビデオにハマっていて
俺らがそれをからかっていると、おすすめがあるという話になり、
「おすすめビデオ見せてやる」
と変なスイッチが入ってしまった。
坂野もノリノリになってきて山田の家で4人でビデオ鑑賞会することになってしまったのだ
俺は特に興味もないし、山田や坂野が興奮したところなんて見たくもないから断わろうと隣の健人を見た
その瞬間
あ、俺 健人が興奮してる顔を見たい って思った。
「わかったよ、そこまで言うなら行くから」
「え、陸行くの?」
健人は俺が断るのを待ってたみたいで焦っていた
「ちょっとだけな、健人は?」
健人は俺が行くなら行くだろう
「じゃあ、少しだけ・・・」
「誰もいないから」
山田の家で4人狭い部屋の中で
それぞれ少し離れてひとつの画面を見る
俺は健人の少し離れた斜め後ろに座った
「あんっ!いいっ!」
画面の中には夢中で交わる男女がいて
女の声がうるさく響いていた
画面を見るふりをして俺は斜め前にいる健人の顔を観察していた
健人は真っ赤になってどうしたらいいか分からなそうな顔で少し下を向きながら画面を見ていた。
俺はその表情を目に焼き付けて、AV女優の喘ぎ声と責められている様子を、脳の中で健人に変換した
何だか変な雰囲気になったので
男友達同士でオナニー見せあったって気持ち悪いだけだし山田の家からは早々に帰った。
健人とその帰り道
無かったことにしたそうな健人に話題をわざと振った
「さっきの凄かったね」
「あ、え?、ああうん・・・」
「健人は興味あるの?」
「え?な、なに?」
「あーゆービデオ観たりしてる?」
「し、してねーよっ・・・お前は・・・?」
「観たのは今日初めてだけど・・・セックスはしてみたいかな」
「えっ、あっ、そーか・・・」
終始健人はどもりながら、少し俯き俺を見ずにただただ早く帰りたいとばかりに少し早足になっていた。
俺は少しだけ斜め後ろを歩いて気まずそうな健人を見ながら距離を離されないように歩いた。
女の子と付き合っている時には起きなかった
いやらしい気持ちが・・・・・・・
健人を目の前にすると湧いてきていた。
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