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第47話大切なものを失う怖さ

しばらくは誰とも付き合ったりする気にはなれず、 告白をされても「好きな人いるから、ごめんね」と言って断った。 俺は健人が好きだ 健人は俺が好きなはず 両想いなのになぜか状況が変わってない それは男同士だから? それもあるけど 誰よりも大切な親友だから 好きだと気持ちを伝えると 変わってしまう日常に、すごく不安を感じた 今の関係が、壊れてしまうのではないかという恐怖が押し寄せる 多分健人は怖がっているんだと思う この関係が変わることを 親友の関係が心地よすぎて壊したくない 恋愛関係は終わりがくるけど 俺達の幼なじみの絆は いつか終わりが来るであろう恋愛関係よりも 揺るぎない関係だと思っていたからだ 「もし健人と俺が付き合ったら相性バッチリなのにな」 「俺ら付き合っちゃう?」 「彼女いなくて寂しいから健人に慰めてもらおうかなー」 と、俺は健人を冗談ぽく言って 揺すってみたが全然動じない 「何言ってんの いやだよ、陸となんてー」 はははと笑って冗談を受け流す その顔には仮面が張り付いているようで 本音は奥にしまわれている 「好きな人いる?」 「いないよ」 「俺が彼女出来たら寂しい?」 「べつに笑」 「健人すきー」 「はいはい」 どんなに際どい言葉で揺さぶってみても 健人の本音は堅い扉で閉ざされているようだった

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