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第1話
先輩と付き合って一年を迎えた。
同棲して半年と少し。
毎日が信じられないくらい幸せで、未だに夢をみているような気分だ。
「城崎 」
先輩の声が好き。
俺の名前、たった4文字で、先輩の気分が分かってしまう。
嬉しそうに呼んだり、怒っていたり、照れていたり、真剣だったり、悲しそうだったり、あと、もっと…って強請るみたいなエッチな声だったり。
先輩の顔が好き。
単刀直入に言うと、俺の好みどストレートな顔。
あと、素直で顔に出やすくて、喜怒哀楽ぜーんぶ分かる。
オンオフはしっかりしてるから、仕事の時はあんまり表情変わらなかったりするのもギャップだな。
先輩の全部が好き。
優しいところも、恥ずかしがり屋なところも、男らしいところも、恋人の前では甘えたなところも、天然なところも、Mなとこも、エロいところも、甘いものが大好きなところも、全部全部大好き。
「も〜!城崎ってば!」
「何ですか?先輩。」
「暇だから何しようかと思って!」
一年前までは、頼り甲斐のある上司。
今では甘えたな俺の恋人。
暇だから、なんて言って、俺の肩に頭を乗せてくるのは可愛すぎてもう…。
「んっ…、なに…?」
「可愛いなぁって。」
「んっ…ふ……」
形のいい唇に思わずキスをすると、息を漏らしながら俺のキスに応えようと必死になる。
何をしても反応が可愛くて、それがわざとなのかどうなのかは分からないけど、どちらにしても嬉しい。
あー…、エッチしたい。
可愛くて愛おしくて仕方ない。
俺を必死に求めてくる先輩が見たくて、毎日のように強請ってしまう。
「先輩、いい?」
「ん…っ、い…ぃょ…」
恥ずかしそうに頷く先輩に、宝石を扱うように優しく触れる。
触り心地のいい肌、しっとりとした唇、普段は隠れているくせに、俺が触れるとツンと突っ張る乳首、少しだけぷにっとしたお腹、弾力のあるお尻、熱くなったペニス。
全てが俺の宝物で、誰にも渡す気はない。
「あっ…♡ぁっ、城崎…っ、城崎っ!」
可愛い。
顔を真っ赤にして、目に涙を溜めながら俺を求める。
望み通りに貫くと、高い声で啼く。
可愛い、愛おしい、俺の恋人。
先輩と出会うまではこんな気持ち知らなかった。
こんなに好きな人に出会えるなんて思ってなかった。
誰でもよかったし、今後もそうだと思ってた。
先輩と出会って世界が変わって、俺の人生もまだ捨てたもんじゃないなって思った。
愛してるよ、先輩。
ずっとずっと一緒にいたい。
そう思っていたのに、まさかあんなことになるなんて。
俺が自分の過去を悔やんだことは今まで何度かあったけど、ここまで悔やんだことはこれが初めての出来事だった。
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