俺が原因なのは事実だから、否定できないとして。 俺はどうすればいいんだろうか。 「距離を置いている間って、先輩に話しかけちゃダメなんですかね…。」 「仕事の都合上、話さなきゃいけないことはあるだろ。」 「わざと先輩に話しかけるのは？」 「逆効果。」 「…ですよね。」 今以上に関わりが減るってこと？ はぁ…、無理。絶対無理。 「俺、無理かも…。手ぇ出しそう……。」 「その辺の男、代わりに抱いたら？」 「変な冗談言わないでください！それは立派な浮気でしょ！」 「じゃあソレ、どうすんの？溜まってねーの？」 「溜まってるに決まってるじゃないですか！！ていうか、透さん、真剣に考えてくれてます？！」 「はは。夏月が自分で慰めてんの想像したらウケる。」 麗子ママ、人選ミスだ。 根掘り葉掘り聞かない人を呼んでくれたのはいいけど、絶対に透さんより拓磨さんの方が優しく聞いてくれたじゃん…。 「もうやだ…。」 「透ちゃんってば、意地悪ね。」 「んなことねぇよ。麗子、ショット追加。」 「もうだーめ。圭ちゃん呼んじゃうわよ？」 「は？」 「ふふーん♪もう呼んじゃった♡」 「ふざけんな。麗子てめぇ…。」 麗子ママと透さんの喧嘩が始まる。 あー、もうなんかこの方が気が紛れるかもしれない。 昔に戻ったみたいだ。 先輩と付き合う前に戻れたら、また一からやり直せるのかな……。 「やっほー。」 「あ、圭ちゃん♡いらっしゃい♡」 「透が飲んでるって…、ひゃっ！」 しばらくして圭さんが来た。 透さんは圭さんを自分の脚の間に座らせ、圭さんの首筋に顔を埋めて寝始めた。 自由すぎる。 「夏月くん、久しぶりだね。」 「はい…。どうも。」 「元気ない？」 首を傾げて尋ねられる。 こういう一つ一つの何気ない仕草が可愛いのが、透さんは心配なんだろうな…。 俺だって、先輩が可愛すぎて、野放しにしておくの心配すぎて無理だ。 今なんか本当、気が気でない。 「先輩と…、うまくいってなくて…」 「えぇ？！もっちーさんと？？」 「はい…。」 「うっそ〜？あんなにラブラブだったのに？なんで？どうして？」 「おい、圭。あんまりほじくり返すなよ。」 「えぇ〜。だって気になるもん。仲直りしてほしいじゃん！」 圭さんはびっくりして、グイグイ俺に聞いてくる。 透さんと真逆だ。 透さんに話したことを、掻い摘んで圭さんにも説明した。