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第1話※※
『神よ…。』
腹の奥にドロドロとした精をたっぷりと溜め込みながら、神に祈る。
『殺さず、盗まず、淫に浸らず、嘘を吐かず、酒を飲まず、貪り食わず、飾らず、贅沢をせず。』
胸を赤く腫らし、ペニスをそそり勃たせながら、人々に八戒を説く。
だが、それはこの人々を救う為の自己犠牲。
この身も魂も食われたとしても、
心までは、奪われぬように…。
神よ…。
私をお許し下さい…。
ーーーーーーーーーーー
「それではまた来週お待ちしています。皆様に神のご加護がありますように。」
ミハエルはこの港町の小高い丘にある教会の司祭である。
物心ついた頃にこの街に来て既に12年。
粛々と教会と街を掃除し、度々現れる妖魔獣の穢れを祓い、施し、野菜や花を植え、何も求めず生きてきた。
そして、たおやかな細身と、明るい髪に青い目の端正な顔で穏やかな笑みを絶やさないその姿も相まって、ここ数年は信者も増え、とても順調だった。
ミハエルは自室の窓から、よく晴れた空と穏やかな海を見る。
この街は、他の海が荒れていても穏やかなとても良い港を持つ。
拠点にする大きな会社も多くなり、急成長している。
が、それはミハエルには関係のない話だ。
「順調で何よりですね。」
「これも神様ならおかげかしらね。」
「ええ、皆さんの良い行いを、神はちゃんと見ておられるのでしょう。」
神に感謝する毎日。
大きなボロの教会に少しずつ手を入れて、やっと雨漏りも隙間風も少なくなったところだ。
カーテンや雨樋も直したいが…、まあ、おいおいだ。
冬の薄い水色の空は、キリッと冷たく澄んで、少し積もった雪が美しく輝く。
キラキラと光を照り返す海には大きな船が停泊していて、蒸気を上げている。
赤いレンガ作りの家々が白い雪を被り可愛いらしい。
今日は子供達と大きな雪だるまを作ろう。
それと甘く干した柿を、ひとつずつあげようか。
そう考えたところで、ふと、1人の男が教会への道沿いのもみの木の下で、コチラを見ているのに気がついた。
「…?」
黒い服を着た大柄な男だ。
まるで、そこだけが暗い絵のように感じられて、ミハエルはレースのカーテンを閉めた。
数日後、朝起きると、その男はまたそこにいた。
雪が降りしきる中、コチラを見ているように感じる。
「…何か、ご用でも…。」
そう思い外に出ると、その男は既に居なかった。
それから何日かに一度、その男はそこに現れては、消える。
そろそろ誰かに相談した方がいいか、と思った時だ。
ツッ……
「!!」
背中を何かになぞられ、冷たい汗が滲んだ。
「俺を、…探しているのか。」
息がかかる程近く、耳元で低い声がした。
「光栄だ…。」
背中の真ん中を指先で優しく押されているだけで、まるで、体中磔にされたように動かない。
力の差は知れた。
神よ…。
心臓がバクバクと音を立てて脈打ち、呼吸は浅く早く、握り締めた手に冷たい汗が滲み、うなじにかかる生暖かい息が、肌を粟立たせた。
「震えているな…クク…、お前の願いを叶えてやるぞ。何が欲しい…、金、女、権力ではないだろう。」
はああ、と反対の耳に、粘り付くような息がかかる。
な…ぜ……、
「…お前が欲しいものは、命でもない。
ああ、そうか、、……安寧だ。…人々の、幸せだ…。」
何故だ…。
「安寧が欲しいか。」
「ぁ…、、やめ…、ろ。」
「クク…、、何故やめねばならぬ。」
…何故、私の元へ…。
「…ひ、人の命は、…尊い。奪う権利は、誰にも無い。…悪魔め。」
「俺を悪魔と呼ぶのか。それならば俺は悪魔だ。さあ、何を願う。」
「ぐっ、…そんな事をして、何になる。」
「…、俺はお前を手に入れる。」
「この、、…ック…ウッ。」
背中を強く押されれば、言葉さえ出なかった。
冷たい汗が、首を伝う。
「俺にはお前の魂が必要なのだ、さあ、望め。」
黒い大きな翼を広げながら正面に回り込んで来た男、いや、悪魔は、ミハエルの目を縦に割れた金の瞳孔で縛り付けながら、嬉しそうにそう囁いた。
例え、力の差は、知れてはいても…。
「…、、い、やだ…。……か、神よ…。」
途端に、愉悦に浸っていた悪魔が、怒りを露わにした。
「願え。」
「…、、…、、殺せ。」
「ああ、いいだろう、殺してやる。疫病が良いか、災害が良いか、選べ。」
「そんな…。」
ミハエルは、悟った。
選択肢は初めから無い事を。
体も足も全く動かないのに、忙しなく上下する胸とブルブルと震える唇だけが狂ったように動いている。
さぁ、どうする、と聞かれて、ミハエルは何度も何度も口をひらいては閉じ、閉じては開いてから、微かに発した。
「……お願い、します…。人々を、お助け下さい…。代わりに、私の魂を、捧げます…。」
「クク…、ククク…。いいだろう。その願い、叶えてやる。」
ゾブ!!
肩を噛まれ、体が大きくビクリと震えて硬直する。
ペロペロと舐められれば、ザワリと肌が粟立った。
…血を…啜られて…。
「はああ…、、。」
口の周りを長い舌で舐めながら、悪魔は満足そうに息を吐く。
悪魔はその逞しい体と6本の腕、黒い翼に立派な角を見せつけるようにミハエルの目に曝し、尖った爪の先で無造作に自分の首を引っ掻いた。
「舐めろ。」
悪魔の首から、赤い血が垂れる。
ミハエルは震える足をなんとか動かし、ガクガクと爪先立つ。
顎を上げ、舌を伸ばし…、
神よ…。
滲んだ血を、舐めた。
その途端。
ドグン!!
心臓が大きく鳴った。
「ぁ…、、ぁあ…。」
神よ…、神よ…、神よ…、
シュウシュウと音が立っているのではないかと、ミハエルは思った。
体が、熱くて、熱くて、もう、どうしようもない。
あの雪に、埋もれてしまいたい。
誰か、この熱を取り除いて欲しい。
神よ…。
ガシッと脇を掴まれて、崩れ落ちた体を起こされる。
「クク…いいな、思い出せ、お前が誰なのかを。さあ舌を出せ。」
目が回り、言葉もどこか遠くから聞こえる。
神よ…。
体がその言葉に従うのを他人事のように感じながら、神に祈った。
出した舌を見て、悪魔は満足そうに笑う。
「さあ、やっとこれでお前は俺のものだ。」
悪魔の6本の手に四肢と胴を掴まれ、高く抱え上げられた。
衣服はいつ脱がされたのか。一糸纏わぬ姿だ。
戦利品を愛でるように目を細める悪魔が、ミハエルの勃ち上がったペニスを長い舌で巻き、ヌクヌクと上下する。
自慰をして自らを聖水で鞭打ったのは、既に5年も前の事。
「あっ、あああ、あう、や、あっ、ぐっーー、ッーー、ぁー。」
刺激に慣れないソコは、すぐに精を吐き出した。
それを舌で絡め取り、悪魔はミハエルの目にそれを曝す。
ミハエルは分かりやすく目を逸らした。
「神よ…、お、お許し下さい…、こなような不浄で快感を得た私を、お救い下さい…。」
ふんと面白くさそうに、悪魔が息を吐いた。
「なんだ、これも罪か。お前の神は、罪を作るのが好きだな。さあ、口は開けたままだ。」
呆れたようにそう言って、開いた口に精の残る舌を差し込んでゆく。
「う、んー!うぐっ、うう、んんーー!!」
自分の精でぬめる舌先が、ザリザリと口内を犯す。
その匂いと味を忌避する体が抵抗するが、喉奥まで入り込んだ舌がえずく事さえ許してはくれなかった。
ヌチヌチと口中を犯され、どれほど唾液を飲まされたか。
やっと舌を抜いた悪魔が言った。
「お前は街の人間に苦しみを与えたいか。」
「あ…与えない。頼む、人々には手を…出すな、出さないで下さい。」
「ああ、俺は優しいから、奴らに苦しみを与えない。お前にもだ。」
その言葉が終わった途端、世界が闇に包まれたと、ミハエルは思った。
目の前の部屋は視界から消え、悪魔と2人だけの光ひとつない空間に、ふわふわと漂う。
今までの恐怖も、焦燥も、絶望も、寒ささえも、何ひとつ感じない、暖かな闇だった。
悪魔が舌を伸ばして来た。
口は開けたまま…。
それを意識の隅で思い出す。
悪魔がまた舌を入れてきた。
ミハエルはそれを拒まず、不思議な気分で悪魔の目の中を見た。
まるで、それが慣れている事のような、しっくりと何かが嵌るような…。
絡められた舌に応えるように舌を動かし、送り込まれる唾液をコクンと素直に飲み下す。
はあ、と熱い息を吐いたのは悪魔ではない。
腰をカクカクと動かし、分厚い胸板に縋るようにして差し出された舌をペロペロと舐め、チュウと吸い付くミハエルだ。
目を細めて、悪魔はそれを見る。
「さあ、ミハエル、今度はお前の体を舐めてやろう。」
ミハエルは名残惜しげに舌を離し、手足を広げる。
悪魔が指の間から舐めれば、ミハエルも同じように舐め始めた。
腕の柔らかな皮膚をたどり、出された舌に答えて深く口付け、首筋を、鎖骨を胸を舐め降りる。
自分の腕ほどもあるどす黒いペニスを舐め始めたミハエルの頭を愛しそうに撫で、悪魔は真っ赤に色付いたペニスをジュッと吸い上げた。
高い声を上げ、体を震わせながらミハエルはソレに奉仕する。
先端を舐め、吸い付き、先走りを舌に絡め飲み下し、少しずつ、少しずつ喉の奥に入れてゆくミハエル。
悪魔がミハエルの頭を優しく撫でれば、全て飲み込んだ。
腰を動かし、食道まで犯す。
それでも、悪魔の血のせいで、裂けもせず、苦しそうなそぶりもない。
悪魔は満足そうに、はあ、と熱い息を吐いて後口に舌を這わせ、キツく閉じたそこをヌチヌチと広げていく。
尻に朱がのぼり、ピクピクと腰を震わせる様が何とも言えない。
ジュボ、ジュボ、と抜き差しが始まると、鼻から高い音が漏れ始め、結腸の奥まで舌を差し込めば足が痙攣を始めた。
口と後口を、深く深く悪魔に貫かれ、ミハエルは達した。
だが、その瞳は快感に潤み、ペニスはなおも真っ赤に聳り立つ。
悪魔が腰を小刻みに動かし始めれば、ミハエルは舌を蠢かし、ソレを刺激する。
口の中に精を吐き出されるとコクンと飲み込み、精を塗り込めるように更に喉を行き来されればソレを手で扱き、残滓に吸い付いた。
ヌチュ、と音を立ててそれらが抜かれてゆけばカクカクと腰を揺らしピュッと精を吐くミハエルに、悪魔は囁く。
「もっと欲しいか。」
「あ、ほ、欲しい、…もっと、奥まで欲しい、もっと、たくさん欲しい…、ここも触って…、あ、熱くて熱くて、早く熱を取って欲しい。」
「ミハエル…、いいだろうお前の願いを叶えてやる。」
ミハエルはとても嬉しそうに笑った。
悪魔はミハエルをそのまま下に降ろしてゆく。
臀部が何か熱いものに触れた。
ミハエルの腹の奥がそれを待ち望み、戦慄く。
ヌチュ…、
その音を皮切りに、グブ、グブと音を立てて自分の腕ほどもあるペニスを少しずつ飲み込む後口。
高く尾を引く嬌声、嬉しそうに弾む体。
悪魔はミハエルの結腸にまで、雄を強引に咥え込ませる。
突き当たりをググウと押せば、ピュッと何かしらを吐き出し乱れるミハエルを六本の腕で更に股間に押し付ける。
グボッ!!
「あがっ!!あ、、う…、、。」
初めての快感に嬌声も上げられず、その逞しい胸に縋り、のけぞる体を震わせる。
曲がりくねった隘路が真っ直ぐに伸ばされ、拡張されてゆくのがたまらない。
腹はソノ形にボコリと浮き上がり、更に侵入してくる様をミハエルに見せつける。
グブ、グブ、グブン…
悪魔のペニスを全てその体に収め、震える体を持て余すミハエルに舌を差し出すと、ミハエルはソレに舌を絡め飲み込んでゆく。
悪魔は、ミハエルを上下から貫くように深く深く犯し、体を揺らし始めた。
ペニスを扱き、胸を摘まんで、強請られては抜き差しする事をどれ程続けたか。
腹の表面にボコリと浮き出ては戻るのを撫で、悪魔をうっとりと眺めるミハエルを満足げに見て、悪魔はペニスを抜いた。
不満そうに舌を伸ばし、胸とペニスを真っ赤に腫らして、ポカリと開いた後口をヒクつかせて精を垂れ流すミハエルに、悪魔は囁いた。
「…これが、お前の、望むものだ。」
パチン!!!
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、、、
光の中に投げ出された様に、ミハエルは思った。
自分の忙しない息だけが、ヤケに耳に響く。
「あぐっ…、、。」
口から、音が漏れた。
グブ、と何かがその体に入り込み奥を揺らしたからだ。
…?
それを確かめる間も無く、首筋から、何かぬめるものがゾワリと這ってきて、口端から垂れた涎を辿るように口内に侵入してくる。
「あっ、あっ、んぐっ、あぐ、、う…。」
舌で必死に押し出そうとしても、すぐに喉まで犯され、その漏れる音さえ奪われていく。
ああ…。
ミハエルの目から、涙がポタポタとシーツに落ちた。
神よ…。
犬のように這いつくばり、腰を掴まれ高くあげ、体の中を無遠慮に抉る事をやめない何かを、歓迎する体。
シーツをギュッと握る手と、ビクリビクリと不随意に動く足。
そして、どんどんと膨らむ風船のように張り詰め、押し寄せる波のような感覚。
視界の端にとらえた尖った何かと、耳元で吐かれる熱い息、胸と股間に這うのも、指だ。
バチュン!!
一際大きく音を立てて抉られ、肺から息が押し出されてカエルが潰れたような音が喉で鳴る。
腹が張って、引き伸ばされるような感じはしても痛みはない。
神よ…。
グヌヌ…、、グチュン!!
神よ…。
ズズ…、ズ…、ゴチュン!!
臀部に何かが打ち付けられる度パンと音が立ち、腹を抉られる度にグチュグチュと水音が鳴る。
段々と、早くなるそれに、迫り上がるのは涙と大きな波が押し寄せるような恐怖。
神…よ…。
「…いけ。」
祈りと同時に、静かな低い声が聞こえた。
その瞬間。
その言葉に応えるように、ミハエルは達した。
波に飲まれてどちらが上か下かも分からないような、空高く放り投げられたような、水底に引き摺り込まれるような…。
それが快感かどうかも、ミハエルには分からなかった。
同時に腰を強く掴まれ、最奥に打ち付けられたモノから吐き出された熱がミハエルの体を更に熱くする。
神…、、よ…、、
力の抜けた体をクルリと返されると、今まで己を翻弄していたものが視界に入った。
黒い翼、鋼のような黒い肌、太く逞しい六本の腕、大きな体に、黒い巻角、黒い髪。
愉悦に細めた目は赤く、細く縦に割れた瞳孔は金。
吐き出したばかりの長大なペニスは、脈と熱が見て取れる程だ。
長い舌が、ミハエルの方に伸ばされた。
ガクガクと震える顎を何とか開く。
すると、それを目を細めて見た悪魔に、体を起こされた。
悪魔は舌を伸ばしたまま動かない。
ただ、ミハエルをじっとりと眺め、舌先をチロリと動かした。
神よ…。
ミハエルが目を閉じ、出した舌先をそれと合わせる。
が、唸り声が聞こえ頭を掴まれた。
ハッと目を開けて悪魔を見ると、逸らすことを許さない強い視線に、ミハエルは捉われてしまった。
視線を合わせながら、恐る恐る、舌を口内に招き入れていくミハエル。
口の中でもてなすように舌を舐め、喉の奥まで自分で入れなければいけない事を、ミハエルは既に知っている。
愉悦に細められるその目を見ながら、舌を伝い垂らされた唾液をゴクンと飲み込み、更に奥へと…。
喉の奥を犯されてもえずかない事も、息を止められても苦しくも無い事も、知っている。
角度を変え、深さを変えして唇を合わせ、舌を扱くように喉を締めるミハエルを満足げに見て、悪魔は舌を抜いて立ち上がった。
自分の腕程もあるペニスが、目の前にそそり勃つ。
「…、、あ…、、こ、これは…、嫌、嫌だ…。」
それを飲み込んでも、口も裂けず、顎も外れず、痛みもしない事は、知っている。
だが、それでいて、なお…。
「ミハエルと言ったか、好きなようにするがいい、俺も好きなようにするだけだ。」
「神よ…、、。」
心だけは…。
ミハエルはソレに手を添えた。
悪魔はそれをふんと鼻を鳴らして忌々しそうに見た。
「さあ、祈れ。お前は神に祈りながら、悪魔の不浄を咥えるのだ。」
ポロリポロリと涙を流しながら、ミハエルはソレに舌を這わせた。
腰を少し引けば、追いかけてくる舌。
チュウと吸い付いて少しずつ飲み込むのを、腰をズクズクと揺らして急かせば、うう、と泣きながら喉を開いてゆくのを、悪魔は口をへの字にして見た。
ペニスが口の中を、喉を犯して行くたびに、自分はこの悪魔のものなのだと、体に染み込んで行くように、ミハエルは思った。
「さあ、そろそろ跨れ。」
ミハエルは恐怖に震えた。
禁忌を犯す罪悪を悲しむ期間は、とうに過ぎた。
食道まで犯されている今では、その大きさにさえ慣れた。
それは、快楽を感じてしまう事への恐怖。
そして、それが心を蝕んでいく恐怖だ。
それでも、やらなければならない。
ゴボと音を立てて喉から抜けたソレは、何度も何度も精を吐き出した筈なのに硬く熱く大きい。
ミハエルは震える体を、寝そべった悪魔のペニスの上に落としてゆく。
グチュ、と音が立ったのは腹の奥から溢れた精が後口から漏れたからだ。
ソコは既に快感を知って、パクパクと口を開く。
ヌチュヌチュといやらしい音を立てて、巨大なペニスを飲み込み始めた己の体。
胸がジンジンと熱を持ち、ペニスは嬉しいと上を向く。
声を抑える事も出来ず、シコリを擦られる快感を逃す術も知らない。
腰を抱かれてズクズクと揺らされれば、あの弾けるような快感を予感して、体がザワザワと粟立ち、次いで、足がガクガクと震え出した。
奥の狭い門が大きなカリにグイグイとこじ開けられてゆく。
「ああ、やはりお前はここが好きか。クク…、お前は俺のものだ。たっぷり可愛がってやる。」
ミハエルは知っている。
これから、そこを開く寸前まで押し伸ばされ、寸手の所で緩められるのだ。
何度も何度も。
そして、門が開いた暁にはその大きなカリを出し入れされる事になるだろう。
ヌボッ、ヌボッ、というその時の音さえ、ミハエルは聞こえた気がした。
そうして、私は…、
それに合わせて腰を振る。
段々と弾けるような快感は大きくなり、ミハエルはそれに逆らえないどころか、それを自ら迎え入れるのだ。
それでも満足せずに、足を絡めて隘路を強請り…。
奥の隘路を広げられる快感に、ミハエルは何度も何度も絶頂する。
そして、それは現実となる事も、ミハエルは知っている。
囁く声が聞こえる。
「お前の望み、叶えてやろう。」
薄れる意識の中、
悪魔が、嬉しげに笑っていた。
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