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敗国の定め、宰相の淫計
「…父上、どうか、…い、いつまでも、ご健勝で…。」
「…、、スウェインよ…、…達者で…。」
王は言葉少なに、だが、近頃急に老いたその目に涙を溜め、今生であろう別れを告げた。
敗国の定め。
遊学とは名ばかりの人質。
スウェインは末の第5王子。
遅くに出来た子で、今年18歳になる。
選ばれた事に不満の一言も漏らさず、粛々と準備と身辺整理を行って、その日、帰らぬであろう住み慣れた城を後にした。
「皆、すまない。あちらに着きしばらくすれば新たに人を雇う事もできよう。いずれ、其方達は国に帰すつもりだ。」
道中の粗末な宿。
その言葉に眉を顰める者がいれば、喜びを見出す者もいた。
それはそうだ。
あちらにいて、良い事など何もない。
男、しかも、老いた者や見目の良くない者ばかりで行くのは、女が行けばすぐに手篭めにされるからだ。
高齢であれば更に良い。
具合が悪くなったとして、下がらせる事もできよう。
覚悟は出来ている。
もう、既にこの身は無いも同然。
貴方がいないこの世など…。
クイード…、、
貴方の面影は、いつも、いつまでも、私の中に…。
ーーーーーーーーーー
数年前、警備に付いたその男は、すらりとしていて白い髪を持っていた。
真っ直ぐな眉の下、二重の吊り目に薄い色の瞳が白いまつ毛とよく似合う。
真っ直ぐな鼻梁はそれほど高くないからか、他の騎士のように威圧的な感じは無いし、薄い唇にいつも微笑みをたたえている。
どちらかと言えば細面だが、先の戦争で付いた傷が額や頬にあって、それを隠す為に髪を伸ばしているそうだ。
年も近いのだろうに、強く、美しい。
自分のこの頼りない体が恥ずかしく思えた。
私も強くなりたい、そう思って手合わせや鍛錬を共にして…。
いつしか、その姿を目で追っていた。
その当番の日を待つ日々。
夜番の時は、眠れないと言えば話相手になってくれた。
「少しお眠りに。」
「恐ろしい夢を見るのだ。」
子供じみでいるだろう、と自嘲気味に笑えば、
「お休みになられるまで、お側におります。」
「……良いのか。…ありがとう。」
手が冷たくて息をかければ、その暖かい手を貸してくれた。
その手に縋るようにして眠るのは、すぐに毎回になった。
昼は昼で鍛錬や稽古を付けて貰う。
一心に鍛錬をしても、中々思うようには剣を振るえない。
「姿勢を、背中が曲がっております。」
「腹に力を入れて…、そうです。」
「このままです。苦しい時こそ、姿勢を。」
「膝の向きはこう、腰をここまで落として、息を吐きながら、肘を…そうです。」
鍛錬で手を添えられた所が熱を持ち始め、その間近で吐かれる息さえ自分の物にしたいと思い始めた頃。
誕生日に、守りのペンダントを貰った。
嬉しくて、かけられた胸の辺りが暖かい気がして、涙さえ滲む。
「これは一生大切にする。」
そうして、宝物はもう3つに増えた。
そして、先のクイードの誕生日の事だった。
プレゼントに、治癒の腕輪を送り、それを着けてあげた時だ。
「スウェイン様、…あの、お話が…。」
硬い表情。
らしくなく、言い淀む。
まさか異動か…?
それはそうだ。
彼は王宮の騎士。
スウェインの騎士ではない。
それに、魔術と剣を同時に扱う、魔導騎士だ。
王騎士として抜擢されても、何もおかしくはない。
「…クイード、なんなりと…。」
考えただけで声が震えて、涙さえ滲む。
もう会えぬのならば、私は…、
が…、
「…貴方様の、…お、お側で、お仕えしたく、お許しを…。」
人生で1番幸せな瞬間。
「わ、私など…、良いのか。」
第五王子であるスウェインの立場は弱い。
こんな私に仕えるなど、クイードにとって良い事では無い。
分かっている。
分かってはいても。
「どうか、この命をかけて、貴方をお守りしたく…。」
涙が出て、止まらない。
「クイード、…私の騎士。」
「スウェイン様…。」
片膝を付き、スウェインの指先を取り、眩しいものを見るように目を細めた。
熱い唇がその指先に優しく、でも少し長い時間、当てられた。
そうして、嬉しそうに微笑む姿。
幸せだった。
もう、何もいらない。
敵を作らず、この男を絶対に危険にさらさないと、そう誓った夜だった。
が、戦争が始まった。
『王の身も危険なのです』
そんな逼迫した戦況だと言う真偽はスウェインには分からない。
または、どちらも正解と言える。
『必ず帰って来ます。』
出陣まで濃密な愛し合う時を共にし、この体に癒えぬ傷と言葉を残して、クイードは去った。
が………、
クイードが戦死したと連絡が入ったのは、それから半年してからだ。
足元が、崩れ落ちる…。
この戦争が終われば、スウェインの専属騎士として登録される筈だった。
その一生をかけて守ると、そう、言ってくれたのに…。
クイード…、、
やがて、敗戦が告げられた。
ーーーーーーーー
「ようこそいらっしゃいました。お待ち致しておりました。」
王に目通りの際に迎えてくれた宰相は、豪華な服を身に纏い、恰幅の良い腹を揺らしてニコニコと笑っていた。
…怖くはなさそうな方だ。
「遊学を認めて頂き、誠に感謝致します。シナラス国第五王子、スウェインと申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。」
「シナラス国スウェイン王子、和平の絆として其方を歓迎する。よくよくこの国で学ぶがよい。」
「まずはここに慣れると良いでしょう。手伝いはおいおい。まずは府内をご案内致しましょう。」
王宮内の宰相府。
宰相に従い、政治の補佐を学ぶのがスウェインの役目だと言われた。
「私が身元を引き受ける事になりました。この宰相府の中は安全だが、軍部にはお近づきになりませぬよう、貴国と実際に戦争をしていた者達でございます。」
……クイード…。
「肝に、命じます。」
「貴方は物分かりが良さそうだ。さあ、ここが貴方の部屋です。」
そうして通された部屋は狭く調度品も古いが、良いものだった。
牢獄のようなイメージをしていたから、普通の部屋である事にホッとした。
まるで、本当に遊学のようだ。
そう思っていた。
が…。
到着して2日後、宰相から夕食をご一緒に、とお誘いを頂いた。
考える事もない。
ありがたき幸せとそれを受け、指定された時間に宰相の部屋へ向かった。
機嫌を損ねないように…、それだけを考え食事を共にし…、
「殿下、あちらのサロンへ参りましょう。」
「私ごときが、宜しいのでしょうか。」
サロンとは、気に入った者と酒を飲みながら談笑する部屋だ。
プライベートな空間でもある。
「ええ、もちろんです。」
ニコニコとして通された薄暗いサロン。
内々の話だと侍従を下がらせられる。
示された所へ座れば、何かの瓶やグラス、マドラーなどが乗ったワゴンを引いて、宰相が隣へ座った。
琥珀色の酒を注がれ、氷をひとつ落として、細いマドラーでくるりとかき混ぜられたそれを持たされる。
「ありがとうございます。良い香りですね。ほのかに甘い匂いが致します。」
「さあ、殿下、我が国と貴国の将来について、2人で話しましょう。」
そう言って、隣に座って肩を組んで来た宰相と、グラスを掲げ、ひと口含む。
良い酒だ。
私はどちらにしろ、出された物を食べ、言われた事をし、無能とも有能とも言われぬ程度にやっていくしかない。
もし、毒などが入っていても、私にはどうする事も出来ない。
…、あの人の元へ行く事が出来るのなら、それもいい。
そう思ってここに来ている。
死さえも、覚悟は出来ている。
…つもりだった。
酒を飲み、はち切れそうな腹を揺らしながら、宰相はこの国の歴史を滔々と語る。
それに相づちを打ちながら、早く終われと願っていた時だ。
肩に置かれた宰相の手が、するりと落とされ尻を撫で始めた。
「な…、何を…。」
「この国では友好の証ですが、何か?さあ、どうぞ、もう一杯。」
「あ、ありがとう、ございます。」
その生温かい手の動きのおぞましさに、手が震える。
と、
「おおっ!!」
酒の瓶が大袈裟にグラスから外れた。
「あ、も、申し訳ありません。少し、酔ってしまったようで。」
「いえいえ、私こそ手元が狂って、こぼしてしまった。ああ、お優しい殿下、拭いて下さるのですか?」
そこは…
宰相の股間は盛り上がっている。
その上に酒がこぼれたのだ。
ワザとではと思ったが、それを言って機嫌を損ねるのもと思い直し、尻を撫でられながらハンカチでソコを拭く。
すぐに鼻息が荒くなり、ソコはキツそうに張ってきた。
すると宰相は、下着にまで染みてしまったようだ、とホックを外したのだ。
それどころか、
「おや、わしのハンカチが見当たらぬ。お貸しくださいませ。」
スウェインの手ごと掴んで、ソコをゴシゴシと拭き始めた。
「お、お離し下さいませ。」
「いやいや、殿下はお優しいですなあ。」
下履きの濡れた場所は、更に広がっていく。
「殿下の金髪も、その青い瞳もお美しいのう。先程からわしの体に触れて、誘っておられるのでしょうな?」
「そ、そのような…、それは宰相様が肩を抱き、手を掴んで…。」
「おや、そうですかな?ああ、貴方がいやらしく拭うから、こんな事になってしまった。鎮めて下さいますな?」
「な、何を…、わ、私は男でございます。そんな事ができる訳がありません。」
すると、宰相は、そう言えば、と今思い付いたという風に話し出した。
「お父上は心労で伏せっておられるとか。これ以上心労が加わらぬように、私は貴国との親和の為に尽力しておるのですが、中々骨が折れる事でしてなあ。何せ、こちらの被害も甚大でしたから。」
顔を寄せられ、尻をぐいと揉まれる。
「な、何をおっしゃって…、。」
「おやおや、お分かりにならないか。私が尽力するかしないかは、私の気持ちひとつ、という事です。」
「ひ、卑怯な…、、」
「卑怯などと…、私はお父上をご心配申し上げただけなのですが、余計でしたかな?お父上の為に疲れた私を、癒やして欲しいとお願いをしておるのですよ。」
私に…、選択肢はないのだ。
「な、何をすれば…良いのです。」
「鎮めて下さい、と、お願いした筈ですが。」
その程度、覚悟もしてきた。
「クッ、、そ、それだけです。」
恐る恐る手を伸ばし、そのテントを張った部分に触れる。
布越しでもその脈が分かる程に、熱く、硬く、聳り勃つソレを、優しく上下する。
「下履きとはいえ、これ以上濡れるのは嫌なものですな。脱がせて頂けますかな?」
「な……ッ、くっ…、そ、それ以上は、出来ませぬ…。」
下履きを開き、直接手で触れる。
ビクビクとした熱いモノが、手の中で更に膨張してゆく。
尻のあわいを撫でられ、おぞけだつ声を必死で堪えた。
と、手が尻から離れた。
ホッとしたのも束の間、頭を強い力で頭を寄せられて、唇を奪われた。
酒の匂い、煙草の匂い、えも言われぬ悪臭。
ニュル、と驚きに開いた歯の隙間から舌が入り込む。
口の中を蹂躙する舌に抵抗しようにも、身を捩ってもその力は緩まず、ソファに押し付けられた。
尻を揉まれ、ズボンを脱がせられても、その舌が口から出て行くまで頭を動かす事は出来なかった。
「ッハ、ッハ、、な、何をするのです!こ、このような…、破廉恥な!ふ、服をお返し下さい。」
「おや、我が国では親愛の印。慣れてもらわねば、貴国との友好もこれまででしょうなあ。」
「ッ…、、そんな…。」
また頭に手が置かれた。
再び唇を奪われるのを、防ぐ事は出来なかった。
ニュル、ニュルと唇を舐めこじ開けようとする舌を拒絶するが、尻を、いや、後口を強く押されてヒッと声を上げた隙に舌がまた入り込んだ。
クチ…ヌチュ、ニチャ…。
口の中で舌に合わせて悍ましい音が立つ。
気を取られているうちに、後口を撫でられて強く揉み込まれ、体が拒否反応を示すようにブルブルと震えた。
「震えておられるとは、お可愛いらしい。」
糸を引いた口を舐め回される。
震えて動けない頭に、また手が添えられた。
強い力で、頭を下げさせられる。
その先に…、、
「な、何を…、、そのような、事、、で、出来ませぬ…。」
「おや、酷薄な王子だ。一族郎党、見捨てると…。」
「ひ、卑怯な…、、こ、これきりです!や、約束です!」
「鎮めて下されば良いのですよ。約束は守ります。貴方のお父上も万民も皆、安心して眠れましょう。」
く、国のため…、覚悟は、出来ている。
その淫液の滲んだ屹立するモノに恐る恐る舌を這わすと、ビク、ビクと鼻に、口に当たるそれが、淫液を撒き散らす。
手で押さえて舐めていると、頭をぐっと押し付けられた。
「ウンン!!…、ン、、ンウ!」
「そのように淫逸に不浄をしゃぶるような真似を…。ホホ、ですがこれも練習が必要ですな。さあ、それでは鎮まりませんな。もっと、深くまで…。」
頭を押さえ付けられて、喉まで塞がれる。
ゴボゴボと腰を振られて、グホっと音を立てて抜かれた。
ゼイゼイと息を吸っては咳き込むのを、豚のような顔がニヤニヤと見下ろしている。
何かを言う間もなく、また口をこじ開けられてグポグポと喉まで入れられた。
「準備を!」
宰相がそう声を上げた。
でっぷりとした腹の向こうに見えたのは、タライのような物だった。
な、何を…、、
恐ろしい想像は尽きず、それは全てひとつの可能性に行き着く。
まさか…、
良く見る間も無く、また頭を押し付けられる。
濡れてもいない尻の穴に下履きの間から何かがめり込む。
「ンウ!!ンウウ!!んぐっ!」
身を捩って抵抗しても多くの強い手に満足に動けず、すぐにぬるい何かがその中に注がれた。
そんな…、、嫌だ…、
クイード…。
腹がパンと張るまで注がれると、ペニスが口から抜かれた。
グググ…、ゴロゴロ…。
すぐに息も腹も苦しくなってきて、汗が噴き出る。
が、人前で不浄をさらすなど…。
「こ、ご不浄へ…。何処ですか、早く。」
「ご不浄をご所望じゃ。準備いたせ。」
「あ、は、早く…。」
タライを恭しく差し出された。
「さあ、どうぞ。」
「な、何を…、このような物で、用を足せる訳がありません!」
「この国の、やり方でございます。ここでぶち撒けるのと、どちらになさいますかな?」
「なんという…、ぐっ、、うう。」
宰相はニヤニヤとしている。
いや、葛藤する姿を堪能しているのだ。
「さあ、そろそろ限界でしょう。酷い音だ。」
奴隷達にソファからズリ降ろされてタライを尻に当てがわれた。
腹がグルグルと鳴り、脂汗が滲む。
「…、、こ、このような、事を…、、ひ、卑怯な…、ご、御不浄へ。」
「ダメですよ。綺麗になったか見なければなりませんからなあ。」
そんな…
「さあ、私の前にその体の中まで晒しなさい!ヒヒ!」
苦しい腹を抱えて唸るスウェインの顔に、ペニスを擦り付け始めた。
「さあ、鎮める約束ですぞ?」
これを鎮めれば…、、
そんな希望に縋りつき、ソレを口に含む。
が…、、
グ、グルグル…、、ゴポゴポ…
ふ、不浄へ…、、早く…。
その一心で、卑猥な音が立つのも構わず、吸い付き、扱く。
クポ、チュポ、グポ、グチュン!
ジュポジュポジュポ…、
グルグルグル…
ぐう…、、も、もう…、、
「さあ、わしの前にその恥辱を曝け出せ。」
結局、スウェインはペニスに喉を犯されながら腹の中を吐き出した。
嫌な臭いが立ち込め、屈辱の涙が溢れた。
「殿下、目はコチラを見ながらです。」
「舌を使って、もっと動かすのだ。」
「キツく吸ってごらんなさい。」
「ぼうっとしないで、袋を舐めよ。」
そんな事を言われながら、2度、3度と、腹の中を吐き出すその羞恥を堪える。
早く終われと願っていたが、次に始まるのはそれよりも酷い事だった。
「ああ、そのように美しいお顔を汚されて、なんと卑猥な。さあ、わしの種はどこに欲しいかの?口か?それとも後口ですかな?」
「ンウ!!ンー…、、。」
口の中はいっぱいで、言葉を話す事は出来ない。
「ああ、口に欲しいのですな?宜しいでしょう。すぐに飲んではなりませんぞ?」
「……、ッ、ウウ!ンウウ!!」
首を振る事も出来ない。
頭を押さえ付けられ、喉を犯す動きが早くなる。
イヤ…、、、嫌だ…、、
グポグポグポ…、ドビュッ!!
口の中でのたうち回るモノから、苦く熱いものが吐き出された。
吐き出そうとするも、屈強な奴隷に顔を固定されて口を開けられる。
「そう、ちゃんと飲み込まずに偉いですぞ?」
飲み込める訳が無い!!
ハァ、ハァと忙しない息が顔にかかるのすら、気持ち悪い。
「さあ、私の味をじっくりとご賞味ください。」
開いた口に指が入って、舌に馴染ませるようにこねられる。
ニヤニヤとした笑みが深くなる。
「さあ、飲み込んで良いですよ。」
そんな事が…。
が、鼻と口を塞がれてしまった。
「ウグッ、ウッ、ウン!!」
息が…、、、
「うっ、、クッ…、、ゴク、ゴクン!」
「ホホ!!」
ガハ、ガハッ、オエ…、、
「おや、吐いたら、もう一度ですからな?」
「ウグ…、、ぐっ、なんて、事を…。、ハァ、ハァ、これで、おしまいです。ふ、服を、、」
これで、我が国も、父も…。
「まあ今日は良いでしょう。また、お待ちしておりますからな。」
サアッと血の気が引いた。
「な、またなどと、何を!も、もう約束は果たしました。今度はそちらの番です!」
「約束を、果たしたですと?ならば、これはどうして下さる。」
そこには、前と変わらぬ屹立したペニスがあった。
いや、先端から精の残滓が垂れて、前よりも醜悪だ。
おぞましさに身が震える。
「明日は残念ながら忙しいのでね、明後日の夕食は両国の将来について語り合いたいと思いますが、いかがですかな?」
国の…、将来。
「あ、あの、昼間では…。」
「殿下、私は忙しいのですよ。しなくてもいい事をする程の時間はないのでね、食事の時間を使って貴国の為に尽力するのです。どうなさるかは殿下次第ですぞ。」
ぐっ…、、
「お父上も貴国の民も、皆安心して眠れるようにしたいとは思っていますが、私も人間なものですからなあ。疲れが溜まって間違いが起きなければ良いのですが。」
父上…、
……、、クイード…
翌々日の夕方、また、『食事』の誘いがあった。
食事を断った場合、食事を共にした場合、死んだ場合、逃げた場合…。
何度も何度も、考えた。
どれも、自分1人ではどうにもできない。
それでも、今も、迷いが無いとは言えない。
でも、もうどうでもいいのだ。
クイード…、、貴方がいないのならば…
この体で万民の命が助かるのならば…
もう、どうでもいい。
「お、お伺い、致します。」
私に、、選択肢など、無いのだから。
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