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「……、やば……寝ちゃってた……」 「ッ……ん……ぅ……、」 「イリヤ……、起きてる?」 「……、ん……、」 「まだ寝てる……、とりあえずスマホ……どこに置いたっけ……、」 暫く気を失っていたようで、ぼんやりとした意識の中、シーツを弄りスマートフォンを探していたが見つからない。身体を起こし、ベッドの外に目をやると、乱れた衣服とスマートフォンが転がっており、慌てて其れを取ろうと重い腰を上げた。 一先ず其れを拾い上げ、画面を見ると録画の機能がまだ作動していたらしく、熱を持つ機体を握り締めてベッドに戻った。 「、よかった……のと、まだ録画してたんだ……さっきの撮れてる……!保存しなきゃ……」 「……、礼央……」 「ッ!イリヤ!?起きてたの!」 「さっき、起きたわよ……」 「びっくりしたぁ……、って……あぁっ!?」 目を覚ましたらしい彼に声を掛けられ、思わず吃驚してしまい、本来押すべき所と違うところを押してしまう。 先程の動画が保存されているか恐る恐る確認したところ、画像フォルダには動画は入っておらず、つい声を上げてしまった。 「……なによ……うるさいわね……、」 「録画したの、消しちゃった……」 「……ふぅん」 「何その反応!」 「アタシは……別に、どーでも、いーし……」 「困るよ!嘘でしょ!?せっかく撮ったのに!もっかいしよ!」 今だに熱を持つスマートフォンをベッドの脇に置いて、目を覚ました彼を抱き締める。彼は眠そうに目を細め、眉間に皺を寄せて、ぐちゃぐちゃになってしまった髪を指で梳いた。 深い溜息を吐き、呆れたようにこちらを見つめる彼は腰が痛いようで、時折顔を顰めていた。 「っ痛、てか……ふざけてんじゃないわよ……、しない……」 「えぇ……そんなぁ……じゃあ鍵外すから、射精シーン撮らせて」 「いやよ……そんなの……」 彼の貞操帯に手を伸ばし、はち切れそうに膨れ上がった睾丸を指で優しく撫でた。 鍵を外そうとしたが、途中で彼に渡したことに気づき問い掛ける。 「ていうか鍵は?」 「……、鍵……?」 「イリヤに渡した鍵……」 「……ないわね……、」 「待って!?なくしたの!?」 「……アンタが気絶しかけの人間に渡すからでしょ!?」 思わず目を丸くして、声を上げてしまったが、彼も同じようで、2人揃ってつい大きな声を出してしまった。 ひとまず身体を起こし、ベッドから腰を上げて辺りを見渡すがそれらしきものは見当たらない。 「そんなぁ……どこに失くしたの?」 「馬鹿言ってんじゃないわよアタシに訊かないで」 「……、でもイリヤ、このままじゃ射精できないよ?探すの手伝っ……」 「はぁ!?元はといえばアンタがこんなモノ人に着けといて暴走するのがいけないんでしょ!!アタシは探さないわよ!!」 彼は今だに身体を起こせないようで、手伝って貰おうと声を掛けたが逆に怒られてしまった。 本当は彼に渡した時に放り投げられてしまったので、彼が原因なのに、と心の中で独りごちていたが、彼の言い分もごもっともなのでしょんぼりしながらベッド周りを確認することになった。 「……ごめんね、イリヤ……」 「……、別に……いーわよ、」 「無理させちゃってごめん……」 「……初めからやる気だったくせに……、後でアタシも探すから、ちょっとだけ休ませて……」 「ん、ありがとう……イリヤ」

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