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【高校生編】1
【悔しいけど、貴方だから好きになりました。】
「おっし学校終わり!杠葉(ユズリハ)ー帰ろうぜ!!」
「は、やだし。僕1人で帰るから」
「えぇぇ、そう言わずにさっ」
鞄を持って教室を出る僕を楽しそうに追ってくる奴。
グイッと首に腕を回され、ドクリと心臓が跳ねた。
「なぁ、今日寄り道して帰ろうぜ。最近できたCDショップ行きたい」
「そんなの一ノ瀬(イチノセ)1人で行けよ。僕帰るって言ってるじゃん」
「まぁまぁ」
前までは、こんなに絡んでこなかった。
キラキラしてて爽やかでクラスの中心的存在。
女子からも男子からも好かれてて、いつも1人でいる僕なんか見向きもしない……そんな奴。
それなのに、ここ最近妙に引っ付いてくるようになった。
「一体どうして?」なんて、そんなの勿論僕が知らない筈がない。
体を密着されてドキドキ煩い心臓を、ギュゥっと押さえつける。
(馬鹿に、するなよ)
僕の気持ちを弄びやがって。
そんな奴に絶対〝本当の事〟なんか言ってやるか。
元々僕は素直な性格じゃないし、寧ろその逆で。
ーーだから、〝このゲーム〟僕の勝ちだ。
(はっ、残念だったな一ノ瀬)
僕は、絶対お前に〝好き〟なんて言葉、言ってやらない。
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