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眠れぬ夜は君のせい 6

「ねぇ、マッスー……キスしていい?」 「っ、だ、だめだってさっき言っただろ?」 「なんでだよ」 「なんでって……」 真っすぐの瞳に問われ、透は言葉に詰まる。確かにキスは嫌いではないが流石にこんな状況では駄目だろう。 そもそも、今更こんな事を言ってくる事自体どうかしている。 「キスだけだって、な? 頼むよマッスー。俺、今日勉強めっちゃ頑張っただろ? ご褒美だと思ってさ」  和樹が甘えるように頬を摺り寄せてきて、心臓がドキリと跳ねた。 学生が勉強をするのは当たり前だし、それに対して報酬を求めて来るなんておかしい。 けれど、この顔に弱いのも事実だ。 和樹はずるい。 こんな風に言われたら断り辛い。それに不可抗力とはいえ先ほど和樹の手でイってしまった手前、あまり強くも言えない。 「き、キス……だけだぞっ」 「マジ!? やった!」 和樹の顔がパッと輝く。 やっぱりこの顔には勝てないなと思いつつ、軽く目を伏せて待つと、あろうことか、耳に唇を押し付けてチュッと音を立てて吸い付いて来た。 予想外の行動に驚いて目を見開くと、悪戯っぽく笑う和樹と視線がぶつかる。 「はっ、お、おまっなん……ッ」 「なにって、キスだよ?」 和樹は、耳元でクスッと笑った後、シレっとそんな事を言いながらそのまま耳たぶを甘く噛んできた。 耳の中に舌を入れられ、ぴちゃぴちゃと音を立てながら嬲られる感触に腰がゾワゾワと粟立つ 「っ、ば、ばか……っそれ、キスじゃ……っ」 「ん~、誰も唇にするとは言ってないし?」 「はぁ……ッそんなの屁理屈……っ」 熱い息を吹き込まれ、ビクンと身体が震える。 「俺、マッスーの感じるところが知りたいんだ。いいだろ?」 「ん……っ」 抵抗しようとした腕をベッドに強く縫い留めたまま耳を執拗に攻められ、身体の力が抜けていく。

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