81 / 226

眠れぬ夜は君のせい 5

「ん……ッば、ばか……何して……ッ」 自分のとは違う、他人の肌の感覚にぞわりと鳥肌が立つ。 「はぁ……マッスーの太股、スゲーきもちい」 和樹は、透の脚を両手で掴むと腰を前後にゆっくりと動かし始めた。ぬるついた液体が絡みつき、粘着質な音が響き渡る。 「は……っん」 和樹の性器が動く度に、透の敏感な部分に触れてびくりと肩が震えた。 「はぁ……ッ」 「やっべ……スゲーきもちい」 和樹が熱っぽい吐息を漏らしながら、夢中で腰を打ち付けてくる。 もう、止めさせないといけないと思うのに、性行為を思わせる動きや和樹の息遣いが妙に艶めかしくて目が離せない。 「……ぅ、く……っ」 隣からは相変わらず拓海の喘ぐ声が響いていて、それに合わせるように和樹の動きが激しくなる。 「ん、んん……っ」 「はぁ……っ、マッスー……っ」 掠れた声で名前を呼ばれ胸の奥がキュッとなった。 「マッスー……はぁ……ッやば……っ出そ……っ」 切なげな声と共に、和樹がぶるりと身を震わせる。それと同時に生暖かいものが内股を伝って行くのを感じた。 「ッ!」 和樹の放った精液が足の付け根をぐっしょりと濡らし、シーツに染みを作っていく。 「は……っ、ヤベェ……すっげー出た」 和樹が荒くなった呼吸を整えながら、ちゅっと軽いキスを落としてきた。 「お、お前な……っ勝手に素股とかやんなよ変態っ」 「だってマッスーがエロい顔で誘うんだもん」 「誘ってねーだろ?」 「えー? でもさっき、俺の指しゃぶってくれたじゃんエロすぎてアレだけでイケそうだったし」 「な、あれはッ……お前が無理やり突っ込んだんだろーが!」 確かに和樹の指を舐めたり吸ったりしたが、それは半ば強制されたからだ。決して自分から望んだ訳ではない。 なのに、まるで自分がそういう行為を望んでいるかのような言い方は心外だ。

ともだちにシェアしよう!