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秘密の関係 12
「はぁ、マジで久々。超楽しかった」
「ほんっと、楽しかったよ。誘ってくれてありがとう和樹。それと、増田先生も突然無理言ってすみませんでした」
練習が終わり、和樹と雪哉を自分の車で家まで送っていると、後部座席から身を乗り出した雪哉が透にそう声を掛けてきた。
「いや、俺も結構楽しませて貰ったし、何よりアイツらのいい刺激になったから。礼を言うのはこっちの方だよ」
透はルームミラー越しに雪哉と視線を合わせるとニッと笑って見せた。
「ハハッ、少しでも刺激になれたんなら嬉しいです。あの……、また息抜きに参加してもいいですか?」
躊躇いがちに尋ねてくるところが雪哉らしい。そんなの、気にせずくればいいのに。
「勿論。卒業まではお前らバスケ部の一員なんだから、好きな時にくればいい」
雪哉の家の前で車を停め、降りる彼にそう告げる。
「はい! ありがとうございます」
また明日と手を振る雪哉に軽く手を振り返して、車を発進させると透はふぅと一息ついた。
和樹と二人きりになるのは正直言って気まずい。そんな透の気持ちを知ってか知らずしてか、和樹がすかさず助手席に移動してくる。
「おいっ、なんで隣に来るんだよ」
「えー? いいじゃん。マッスーが運転してるとこ、カッコ良くて俺好きなんだよ」
「……」
透は一瞬黙ってから、和樹に見えないように小さく舌打ちをした。
和樹は時々こういうことを恥ずかし気も無く言うから困る。何と返していいのかわからずに戸惑っているとするりと太腿に手を置かれて、ビクリと身体が強張った。
「お、おいっ今運転中……」
「大丈夫。薄暗くて見えないって」
「そういう問題じゃない! 危ないだろうが」
確かに周囲は薄暗いし、対向車もまばらだが、それでもいつどこで誰が見ているかわからない上に手が気になって運転に集中できない。
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