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秘密の関係 13
「だって、マッスー学校じゃダメだって言うじゃん」
不満そうに口を尖らせ、腿の付け根を撫でられてゾワリとした感覚に襲われる。
「……っ、だって。じゃない! 当然だろうが。バレたらどうすんだ!」
透は赤信号で車が停車した隙に、和樹の頭を軽く小突いた。自分たちの関係は公には絶対に出来ない。
アキラには速攻でバレてしまったが、基本的に二人だけの秘密なのだ。
それなのにコイツときたら、学校でも普通にスキンシップを取ってきやがって……。
「でも、じゃぁいつならいいんだよ」
「そ、それは……っ」
そう言われたら即答できない。これが普通の男女で、立場が同じだったら仕事の帰りに飲みに行ってそのまま……とか、色々と出来たかもしれない。
でも自分たちは男同士だし、教師と生徒という立場だ。万一の事があってはいけないしリスクが高すぎる。
それに、自分は和樹と違って、そこまで割り切れていない。まだ、この関係を公にするのは未だに抵抗があった。
チラリと視線だけ向ければ、和樹が拗ねたような顔をしている。そんな顔をされたら流石に胸が痛む。
そうこうしているうちに和樹の家の近くまで辿り着き、透は内心ホッとしながら車を停めた。
「ほら、着いたぞ」
「うん。でも……もう少しだけこうしていたい」
和樹はそう言って透の腕に抱きつくと、甘えるように頬を寄せた。
「……っ」
和樹の仕草にドキリと心臓が跳ね上がる。
「ねぇマッスー……キスしていい?」
「……だっ、ダメだ」
「どうして?」
いつの間にかシートベルトを外した和樹の顎が肩に乗り、耳元で囁かれる。吐息がくすぐったくて、思わず身じろぎする。
ほんの少し顎を上げれば唇が触れ合ってしまいそうな距離で見つめられ心臓がどきどきと早鐘を打ち始める。
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