172 / 226

変化 4

「ちが……っ」 「違う? その割には随分気持ちよさそうだったじゃん」 「んんっ」 指をそっと引き抜かれ、入り口に熱い楔を押し当てられる。たったそれだけの事なのに、その先を期待して後孔がきゅっと収縮した。 「ほら、欲しいってヒクついてる」 「あ、やっ」 焦らすような動きで先端だけを挿入し、すぐに引き抜く。その繰り返しを何度もされ、物足りなさに腰が揺れてしまう。 「えっちだね、腰すっげぇ揺れて俺のに押し付けて」 「っ……だって、お前が」 「俺がなに?」 「っ」 和樹が意地悪な笑みを浮かべる。わかっている癖に、言わせたがるなんて趣味が悪いと思う。 「ちゃんと言ってよ。俺が何?……ほら、言えって」 「あ……っ……」 浅い部分を擦られる感覚にゾクゾクと体の芯が震えて産毛が総毛だった。でも、欲しい刺激はこれじゃない。 「ッ、焦らすなよ……」 「言わないとこのままだけど、いいの? それとも、もうちょっと我慢できる?……俺、結構限界なんだけど」 「う……っ」 和樹の余裕のない吐息が項にかかる。その熱さにドキリとした。 「ほら、言ってよ。何をして欲しいって?」 「……」 「……強情だなぁ」 「っ、ぁあ……!」 ズブっと一気に根元まで突き入れられて、目の前に火花が散った。 「あ、はぁ……んっ……ぁ……」 待ち望んでいた質量と快感に、一瞬で頭の中が真っ白になる。 「あー、凄い締め付け、やべ……っ」 言いながらいつもとは違ったゆっくりとしたストロークで抜き差しを始める。

ともだちにシェアしよう!