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変化 6
「たく、結局一人で先にイっちゃうんだもんな。俺は搾り取られたって感じ?」
「……っ」
ちゃぽんと湯船に浸かりながら、背後でぼやく和樹に返す言葉も無く、黙り込む。
「まぁいいけど。たまにはこういうのも新鮮で良かったし」
にへっと破顔して緩みっぱなしの頬に思わず拳を叩き込みそうになった。
(人の気も知らないで……。っていうか、和樹が焦らすから……)
さっきまでの自分の痴態を思い出して居た堪れない気持ちになりながら恨めしげに見遣ると、ちゅっと額に口付けられた。
「ん~、可愛い。今日も最高だったぜマイハニー」
「調子に乗んなバカっ」
スリスリと肩口に顔を擦り付けてくる和樹の頭をぺしりと叩く。それでも懲りないのか、今度は脇腹の辺りをさわさわと撫でてくる。
「たく、あっ、こら触んなってば」
「いいじゃん。スキンシップ、好きだろ?」
確かに好きだとは言ったが、そういう意味じゃない。
「お前の触り方、エロいんだよ」
「それはマッスーがえっちだからじゃね? 俺のせいにするなよ」
「……」
なんだそれ、どういう理屈だ。
ムッとして振り向くと、「ん?」と嬉しそうに笑う顔が目に入って毒気が抜かれる。
「あーはいはい。もう、それでいいや。疲れた」
ぽすっと和樹の胸元に身体を預けるようにして寄り掛かる。
ふわりと香る石鹸の匂いに混じる和樹の香り。
和樹の温もりに包まれている安心感に、心の底からホッとする。ずっとこうしていたいなぁ、なんて考えてしまう自分はだいぶ和樹に毒されていると思う。
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