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僕達の答え 4
「アキラはああ見えてダメ人間なんだ。よくアレで今まで生活できてたなってレベルで。だからさ……」
「コイツにはおれが居なきゃダメだ的な? お熱いねぇ」
「……そうは言ってないじゃん!」
橘のからかう声に、頬を赤らめながら否定する拓海だったがその表情は幸せで充ち溢れていて、見ているこっちまで嬉しくなってくる。
「――ねぇ、和樹」
「ん? どうした?」
「和樹は今、幸せ?」
どこか不安げな表情で雪哉がそう訊ねて来る。
あぁ、そう言えば透との事。まだ話してなかったっけ。
教育実習の後もなんだかんだあって、バタバタしていているうちに連絡を入れるのをすっかり忘れていた。
「俺? 俺は――」
「悪いッ、遅くなって……!」
言いかけたその時、バタバタと大きな足音を響かせながら透が店に駆け込んで来た。
その慌ただしさに一斉にみんなの視線がそこに集まる。
「んもー、ほんっと遅いわよっ! 先に始めちゃうとこだったんだから!」
ナオミが腰に手を当てぷりぷりと怒っているが透はそれどころではないらしく、額に流れる汗もそのままに和樹の姿を捉えるとホッとしたように表情を緩めた。そして息を整えると、真っ直ぐにこちらに向かって歩いてくる。まだ、二人の事を知らない雪哉の顔が強張るのが何となく可笑しくてはにかむように笑ってしまた。
「悪いな。遅くなって。せっかくの大事な日なのに……」
透がシュンと項垂れる姿も可愛くって仕方がない。
「大丈夫だよ。家に帰ったら埋め合わせしてくれるんでしょう?」
そう耳元で囁いたら、何を想像したのか透がもごもごと口籠った。
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