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第3話
いつも使っているマッチングアプリを漁っても、どうも気に入った人がいない。うーん、どうしよう、今日はダメな日か・・・
家に食べるものは・・・ないな。コンビニで肉まんでも買って食べようかな。
僕は上着を羽織って、近くのコンビニへ向かった。
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「オラァァ、なめてんじゃねーぞコラァぁぁ!!!」
ドスッ、ボコッ
「んな、でけー図体してなせけねーなぁぁぁ!!」
「コイツ全然抵抗しないぜぇ」
「ボコボコにしとけ」
うわーどーしよ。コンビニの通り道にある小さな公園で、1人の男性が5人のおそらく不良に絡まれてボコボコに殴られて蹴られている。男は何か大事なものを抱えているのか必死に蹲った状態でされるがままに暴行されている。
あー、これは胸糞悪すぎでしょ。しょうがない、可哀想だから助けるか。
「おーい、そこのお兄さん達、暇なの?」
すると全員こっちを向いた。
「あ゛?」
「いや〜暇そうだね、そんな奴よりも僕と楽しい♡ことしない?」
僕はジェスチャーでおkのサインに舌を出してフェラの合図をした。
「なんで野郎なんかとやんなきゃなんねーんだよ、邪魔すんじゃねーよ」
「えぇ〜そんなこと言っちゃう?僕一応結構いい顔してると思うんだけど」
上着についている帽子を下ろして街灯の下に立つ、すると数人赤い顔してこっちを見始めた。
「おぉ、お前結構上玉じゃねーかよ、なんだ、お前も暇なのか」
「うん、お客さんに飽きられちゃってさ〜人肌恋しいんだぁ〜良かったらお兄さん達相手してくんない?」
不良達はコソコソと何かを話し始めてニヤニヤした顔で近づいてきた。
「いいぜ、その話乗ってやるよ、そこの公衆トイレでもいいのか?」
「えぇ〜トイレで?それならトイレの裏の方が良くない〜?臭いのやだし」
「わかったよ、ほらついてこいよ」
強引にかなりな力で僕の手首を引っ張ってさっきの男なんか目もくれず、さっさとトイレの裏に連れてかれた。
全員カチャカチャという音と同時にベルトを外し始めた。
「ほら、お前の好きなくっせーちんぽだよ、舐めろ」
ボス的な奴に髪を掴まれそうになった瞬間僕は動いた。
「お前のくせーちんぽなんかお呼びじゃ ねーんだよ」
僕は思いっきりむき身のちんこを蹴り上げ悶絶している奴を横目に一気に攻撃にかかった。瞬く間に5人を伸した、暫くは起きてこないだろう。さっきの男が気になるのですぐに向かった。
するとそこにいたのは泣いている男だった。両手に抱えているのは...猫?
「ねぇ、お兄さん、大丈夫?」
少しだけ視線が上がって目が合うとそいつは固まった。うわぁ、イケメンって泣いてるのも絵になるんだなぁ。
「ミー?」
「えっ?なんて?」
「ミーなのか?」
んんんん????どういうことだ、ミーって誰だ??
「えっと・・・人違いだと思います」
「いや、だって、その髪色・・・その目・・・全部ミーと一緒・・・」
「んーと・・・」
どうしよう・・・変な奴だった・・・
「とりあえずさ、お兄さん怪我だらけだから、手当てしよ・・・立てる?」
少しよろつきながらも立ち上がった男は思ったよりかなり背が高くてガタイがよかった。
「その猫も怪我してない?病院連れてく?」
すると男はぎゅっとその猫を抱きしめた。
「いや・・・この子は・・・もう・・・」
よく見ると手足がだらんとしている。あぁ、さっきの奴らにやられたのかな。
「とりあえずお兄さん一旦ついてきて」
僕は男の手を引っ張ってすぐ隣のコンビニに向かった。流石に猫を連れて入れないから、外で待ってもらった。僕は飲み物とタオルとお目当ての肉まんを3個買って、すぐにコンビニを出た。
「はい、これ、とりあえずそのままじゃ猫さん可哀想だから、タオルで包んであげよ」
男は素直に僕からタオルを受け取って、優しく包んでまた片手で抱きしめていた。
「次はお兄さんの手当てだね、んーどうしよ。とりあえず家でいっか、ついてきて」
大きなお節介かもしれないけど、かなり傷は多いはず、早めに手当てしないと膿んだりしちゃうから大事だ。僕はそう遠くないお店まで男の無理のないペースで向かった。
歓楽街に入っていく僕を訝しげな目で見ていたが、大人しく着いてきた。お店に着くと、流石に口を開いた。
「えっと・・・」
「あー、大丈夫。ここの3階が家なんだ」
流石に正面からは竹内さんがまだいるかもしれないから裏口の方へ向かって3階まで階段で登った。
リビングを通って僕の部屋に入ってもらう。
「狭いから、とりあえずベットに・・・いや、汚れてるか・・・一回シャワー入っとく?結構土ついてるでしょ、そのあと手当てしてあげる。猫さんは大事に預かっとくから、シャワー入ってきな」
大事に猫さんを貰い受けて、僕はふかふかのクッションの上に乗せた。そして、男をシャワー室に押し込んだ。
とりあえず着替えだよね・・・かなりガタイいいもんなぁ・・・あ・・・なんかめちゃぶかぶかのオーバーサイズのTシャツあったよな・・・ズボンは・・・くーちゃんの履いてない短パンでいいか、パンツは未使用のキャスト用のボクサーパンツがあるからアレにしよ。
僕はタオルだけシャワー室の外に置いといてリビングで猫さんの亡骸と一緒に待った。
タオルとクッションに包まれている猫を撫でて思わず悲しくなる。さっき包むところを見ていると幾つか骨折と血が見えて、心が苦しくなった。
「痛かったよね・・・ごめんね・・・苦しかったよね・・・もうそんな目には遭わないから・・・静かに眠りなね・・・」
優しく撫でていると、急に後ろから声が掛かってびっくりした。
「シャワーありがとう・・・だが・・・服を借りれないだろうか・・・」
「あぁ・・・服はあるけど、先に手当てしようか、部屋に行こう」
僕は猫さんをクッションごと持って部屋に向かった。
男にベットに座らせると、僕は応急セットを持って男の前に立った。
男はタオルを下半身に巻いて上半身は裸だった。それにびっくりするぐらいの肉体美、腹筋が綺麗に割れてるし、胸筋もほどよく育っている、腕も結構筋肉がついていて、思わず縋りつきたくなるような腕だった。何かスポーツでもやっているのかなという感じだった。思わず見惚れていると傷が目に入って、当初の目的を思い出した。
背中から脇腹にかけてかなりの打撲痕と頭と顔に殴られた時にできたかすり傷が沢山あった。こんな精悍なイケメン顔に何やってんだ、と思う。僕は消毒綿を開けて酷い傷を軽く拭く様にした。消毒のしすぎはかえって傷に良くないからなぁ、でもさっき砂利が入ってたところは入念に消毒しとこう。
こめかみの傷の手当てをしている時、僕はまじまじと男を観察した。キリッとした眉に引き込まれそうな黒い瞳、しっかりとした鼻筋、厚くも薄くもない程よい唇。身体は細マッチョ、身長は僕がかなり見上げるから190ぐらいありそう。ものすごくモテそうだ。
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