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第2話

未だに怠い腰を引きずって見慣れない道を進んでいく。 見た目は至って普通の蔵田高校に着くとまず職員室に向かった。 「すみませーん、今日転校してきた高宮葵ですけど・・・」 すると奥の方から背の小さい30代前半ぐらいの男性がひょこっとデスクから頭を上げた。 「あ!高宮くん〜!こっちこっち!」 この人が担任か?人のこと言えないけどちっこい人だなぁ。 「初めまして、これから高宮くんが入るクラスの担任の秋沢です。よろしく!」 「初めまして、高宮葵です」 「いい挨拶だね!高宮くんはC組だよ」 「C組ですか」 「うん、AとBは一般受験組で、CDEは総合受験、推薦とか色んな受験をする子達がいるクラスだよ。ちなみにCDEは成績順だね。高宮くんの編入試験満点だったよ〜すごいね、先生期待してるよ!」 「はぁ・・・ありがとうございます」 凄くハキハキして元気のある人だ。 「じゃぁ、そろそろクラスに行こうか、自己紹介考えといてね」 「はい」 あー自己紹介気が滅入るなぁ・・・テキトーでいいよね。目立ちたくないし、予定通り陰キャのイメージで行こう。 3階の教室に着いた。 「んじゃ、高宮くん、僕先に入ってるから呼んだら入ってきてね」 「はい」 先生が入っていくと騒がしかった教室が静かになった。先生の声がよく聞こえる。 「はい皆さん〜、おはようございます、新学期も元気に勉強していきましょう。そこで、このクラスに転校生が来ました!」 「「おー」」 「女?!男?!イケメン?美人?!」 なんだか色々憶測が飛び交っている。期待に添えない見た目だからなぁ、すみませんとしか言えない。 「はいはい、静かに!入ってきていいよ〜」 ガラガラガラ 引き戸を開けるとさっきまで色々言ってた人も静かになった。 「はい、では自己紹介お願いします!」 「高宮葵です。よろしくお願いします・・・」 「あれ?それだけ?」 「えっ・・・あー・・・趣味は人間観察です。仲良くしていただけると嬉しいです」 「面白い趣味してるね!じゃぁ、皆んな仲良くしてね〜!高宮くんは、後ろの席でも黒板見えるならあそこの空いてる席に座ってくれる?」 「はい」 先生に指差された席は窓際の後ろから2番目の席だった。僕の後ろにはなんだかガタイのいい、黒髪の男子生徒だった。なんだか視線が痛い。会釈をして、目の前の席に座る。周りからはなんだかコソコソと陰キャだね、オタクかなとか聞こえるけど、気にしない気にしない。僕は空気になるんだ。 その後始業式があって、授業も開始したけど、昨日の夜のセックスはかなりハードだったから、僕は1日目から授業で寝てしまった。 「高宮くんー、高宮くんー」 んーうるさいなぁ・・・誰だ。 「高宮くん、ホームルーム終わったよ」  うわ!ガバッと机から顔を上げると先生が立っていた。やべっ。 「あ・・・すみません」 「いいよ〜初日で緊張しちゃったかな〜?明日から気をつけてね」 「はい、すみませんでした」 周りの生徒の目線が痛い・・・目立ってどうする・・・ そそくさと荷物をまとめて家に帰った。 もう4時だ、そろそろくーちゃんも起きてお店の準備してる頃だろう。 「ただいま〜」 いつものキャストのメンツが出迎えてくれたはいいが、固まってる。 「えっと・・・お客様?申し訳ございません、まだ当店の営業時間までは後少しございまして・・・」 キャストの中で人気のフユくんが僕に話しかけてくる。 「フユくん〜僕だよ、あーちゃん」 僕は眼鏡を取ってカツラを取った。 「あー!あーちゃんじゃん!誰かと思ってびっくりしたよ、なにそれ変装?」 「うん、今回は目立って問題起こしたりせず卒業したいからね」 「それにしても随分モサイ格好にしたねぇ、ある意味目立つんじゃない?」 「えぇ、今更イメチェンしたくないよ」 「それもそっか、今日は?出勤?」 「うん、準備したら降りてくる」 「はーい、待ってるね」 僕はそのまま3階まで登って、自分の部屋に向かった。 さっき話しかけてきたフユくんは25歳。借金のために此処で働いてるんだって、もうすぐ返し終わるみたいだから辞めちゃうかもしれないけど。茶髪の可愛い系の子で、ファンがめちゃくちゃいる。毎日お店に差し入れが届くぐらいだ。 僕はフユくんとは系統が違うみたいで、皆んなが言うには儚げ美人?らしい。素で話すと台無しってよく言われる。全く酷いよね。 兎に角僕はいつも通り髪の毛は解かすだけする。元々少しゆる〜い天パでいい感じにパーマをかけてるみたいに見えるし、お客さんがよく頭を撫でるからあまりワックスとかはつけないようにしてる。学校でのメイクを落として、薄ーくファンデーションをして眉を整える。あとは唇の乾燥を防ぐほんのりピンクのリップをしてあーちゃんの完成。あとは必要な準備だけ終わらせれば出勤だ。 早速お店に向かう。 「あーちゃんおかえり〜」 「今日は誰か予約入ってる?」 「んーあーちゃんには竹内さんが入ってるね。17時からだからもうすぐだよ」 「竹内さんか、了解」 竹内さんはちょっと久しぶりだ。2週間ぶりかな?いつも僕を指名してくれる常連さんだ。少しバーでお酒を飲んでお話をして、2階の個室で2-3時間お楽しみをするっていうのがいつものコースだ。 お店の開店と同時に竹内さんと数人のお客さんが入ってきた。 「「「「いらっしゃいませ」」」」 竹内さんは僕を見つけるとニコッと笑顔を浮かべた。 「こんばんは、竹内さん、今日もご指名ありがとう」 僕は竹内さんの腕に抱きついてそのままバーのカウンターに誘導する。 「あーちゃん〜久しぶりだね。ごめんね、最近仕事が忙しくて、ついこの前まで出張だったんだよ」 「お仕事忙しかったんだ、大変だったね、あーちゃんが癒してあげる♡」 「ありがとう、あーちゃんはいい子だね」 カウンターでいつものウィスキーロックを一杯ちょびちょび飲みつつ、他愛のない会話を店長のくーちゃんと僕としていた。 するとすっと竹内さんが僕の内腿を撫で始めた。決して強くなく、サワサワと触るだけだったけど、もどかしさに思わずモジモジと膝を擦り付けてしまう。 それを合図に竹内さんはくーちゃんにご馳走さまといい、僕の手を引いて2階へ向かった。 2階には3部屋ある。各部屋は防音もしっかりしていて、シャワー室もついている。完全予約制で、キャストとお客様が色んなプレイをしたりする部屋だ。 竹内さんはいつもケースに色んなおもちゃを持参する。今回はどんなプレイをさせるのか内心ドキドキしている僕だった。 ケースを開けると、今日はどうやらソフトなプレイらしい。目隠しとバイブ、ローター幾つかと太ももと手を固定するベルトが入っていた。 あーこれは目隠し羞恥プレイだなと理解した。 「おいで、あーちゃん。んー下着は脱いで、シャツはそのままにしようか」 僕は言われた通りに脱ぐと目隠しをされて、両手を後ろにベルトで縛られた。僕はゆっくり後ろに置かれた椅子に座った。 「ふふ、どうしたあーちゃん、期待しちゃってる?」 「ん...なんか見えないのが恥ずかしい、竹内さんがどこにいるかわからない」 「そっかぁ、じゃぁ、もっと恥ずかしくしようね」 僕の両脚を持って大きく広げてM字開脚させられたと思ったら太ももと多分椅子の足を一緒に固定されて足を閉じれない様にされた。あられもない姿を今目の前で見られていると思うと羞恥心とこれから来るであろう快感に期待を膨らませた。 ツーっと裏筋を上から下になぞられて思わず内腿が震える。 「震えてるねぇ、怖いの?」 「見えないから・・・びっくりしちゃった」 竹内さんの少し笑う声がして、すぐ僕の亀頭と両乳首にローターをくっつけてスイッチを入れた。 「んはぁ・・・あぁぁぁぁ・・・んやぁ・・・よわいぃ」 ローターは多分最弱、もどかしいくすぐったい刺激が続く。 「腰浮いちゃってるよ〜?どうして欲しいの?」 「あぁぁぁ・・・おちんちん触ってぇ」 「んーどうしようかなぁ」 竹内さんの少し冷たい指が内腿を撫でる。 「お願いぃ」 強い刺激が欲しい。 すると外気に晒されているアナルにヒヤッ冷たい感触を感じたと同時に勢いよくエネマグラの様なものを突っ込まれた。 角度がついていて思いっきり内側から前立腺を押される。じわじわとした気持ちよさの波とローターの振動で頭の芯がポワポワしてきた時急に僕のちんこに弾かれる様な痛みが走った途端一気に吐精した。 いきなりのことで息が上がってはぁはぁ言っていると、竹内さんが僕の目隠しを取った。 「あーちゃん、今日は終わりにしよっか」 「え・・・でも・・・僕何か気に触る様なこと・・・」 「あーううん、違う。ちょっと気が乗らなくてね、ごめんね、あーちゃんのせいじゃないよ。今日は一緒にシャワー入っておしまいにしよう」 お客さんにそう言われたら断れるわけもなく、ベルトを外してエネマグラも抜いて、大人しく竹内さんとシャワーに入った。 何か触りっこでもするのかと思いきや、特になにもなく、頭を洗いっこしてお風呂の時間は終わってしまった。 お互いに服を着て、竹内さんは僕に1万円渡して下のバーに戻って行った。疲れただろうから休んでてと言われたが、僕はそのままプレイ部屋にいるわけにもいかず、どうしようかと思い、そっとバーの休憩室から竹内さんを覗くことにした。 休憩室にはマジックミラーがついていて、誰がきているのかが中からわかる様になっている。 すると竹内さんは別のキャストとお話をしてお酒を飲んでいた。あぁ、もしかして飽きられちゃったかなと悟った僕はフロアに戻る勇気もなく、一旦自室に戻った。 僕の何がいけなかったんだろう・・・嫌だなぁ・・・ さっきのプレイでは殆ど触られてないから人肌恋しい。気持ちいいよりも他人の体温を感じたい・・・ マッチングアプリで今日の相手探そうかな・・・でもなぁ・・・この前当たった人最悪だったんだよなぁ・・・

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