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第1話
1月22日。
正月休みに、三連休も終わり、彼らが通う蓮田大学でも講義が本格的にスタートして1週間が経とうとしている。
彼ら……それはシェアハウス「23 Futures」に現在、生活している4人の男子大学生達だった。
「お先に失礼します」
帰省や年末年始バイト、ゼミとかバイト先の新年会で延びに延びていた「23 Futures」新年会。
明るめの茶髪にいつもカーディガンとシャツ、スラックスを着ている眼鏡の男・五島(ごとう)はバイト先である資料館をいつもより早めに上がると、23Futuresのグループからのメッセージが届いているのに気づく。
『ここから未読
3y 只今、駅前のガータに到着。買い出し追加があれば、すぐに連絡して 17:34
九岡透哉 ありがとう。鍋の材料は足りてるからこっちは大丈夫そうかな 17:39
むかわ お疲れ様。僕も大丈夫かな? あ、でも、アイスとか食べたいかも^_^ 17:46』
最後に3yから『りょーかい』と適当な顔の半魚人が言っているスタンプが17:53に押されている。
実は、23Futuresのシェアハウス仲間の六川(むかわ)が売り出しているスタンプで、適当シリーズ・半魚人バージョンという種類らしい。ちなみに、五島は同じく六川作の適当シリーズで、牛頭人身バージョンをよく使っていた。
「(もう買い出しも終わってるな……)」
五島はスマートフォンの左上で時刻を確認すると、18時を少し回っている。
ただ、3yこと三浦(みうら)とは小学校から馬が合わないし、中学高校と馬を合わせることもできず、大学生になった今でもとことん馬が合わない為、どの道、頼まないが……と思うと、五島は六川に電話にすると、23Futuresに向かう。
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