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マッサージ
「まぁ取り敢えず今日は大人しくしてろ」
突然横抱きにされた方思えば、ソファに寝かせられた。
「ありがとう」
…ってこのソファ寝心地最高!すぐに寝れそう。
「毛布取ってくる」
そう言ってカイは上に行った。…はぁ、腰が痛い。だるい。そんな風に思いながら腰をさすっていると、心配したミアが温かい飲み物を淹れてくれた。
「ありがとうミア」
「うん!いいよ。早く良くなるといいね」
ニコッと微笑んで俺の頭を撫でた。それを見ていたレックもマッサージをすると言ってくれた。
「俺贅沢だね」
「僕たちのボスがめちゃくちゃしたからお詫びにね」
そう言うと俺をうつ伏せにして、レックは馬乗りになった。
そこへカイが戻ってきて毛布を投げた。
「ほら使え」
「わっ、ありがとう」
レックが受け取って俺に毛布をかけた。カイは、1人がけのソファに座った。足を組んで、アームに肘をついた。
「何やってんだ?」
「ハヤトが腰痛いって言うからマッサージ!」
レックは楽しそうに言って、親指でグリグリ腰を押した。
「はぁ…力加減うまいね」
「でしょぉ?僕小さいからよくお母さんにマッサージしてたから」
「親孝行者だね」
ふふんと得意げに鼻を鳴らして、少し押す位置を変えた。
「っん、そこいい…」
「ここ?」
「そう」
なんだか楽になってきた気がする。レックってホントに上手いんだね。
「お尻をほぐすと、ば全身の血流がよくなるし、腰痛だけじゃなくて、冷えやむくみの改善にもいいんだよ」
「へぇ〜」
マッサージ屋さん開いたらきっと繁盛する。
お尻を揉みほぐしてもらうのは意外と気持ち良くてウトウト瞼が重くなる。
「んっ、ふ…お尻気持ちいい。…っあ、そこもっと…」
いいね、最高。もっと色んなところほぐして欲しい。そんな風に思っていると突然ピタリと手が止まった。
「…あれ?」
顔をレックに向けるとカァッと顔を赤くしていた。
「もうおしまい?」
「えぇーっと…」
「もっとして欲しい」
ジッと見上げると、フイッと顔を逸らされた。
「か、カイに殺されちゃう!と、というか目が怖い…。下心一才ないよ?!」
レックは顔が真っ赤なまま必死でカイに弁解する。なんの話?もうマッサージしてくれないの?
「へぇ?」
「ぼ、僕お散歩行ってくる!」
急いでオオカミの姿になって、家を飛び出してしまった。
「あぁ…行っちゃった」
ミアは苦笑して、カイは俺のそばに来た。
「マッサージしてやろうか?」
「え、いいの?」
「ああ」
ふっ、と優しく微笑んで俺の額にキスをした。
「うぇー…カイが甘いとかキモい」
眉間に皺を寄せて舌を出した。
「私本読む」
机の上にあった分厚い本を手に取って、パラパラページをめくった。
俺は本を読むミアをジーッと見ながら一生懸命腰を押してくれるカイがなんだか可愛くて、ふっと笑ってしまった。
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