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ー鼓動ー30
「やっぱ、望だったら、そういう答え方がベストだよなぁ」
って言いながら和也は笑っていた。
……やっぱ、そういう所は和也の奴っていうのは腹が立つ。
「まぁ、望がそう言うんなら、それでええねんけど。 って、今んとこ、俺の方は大丈夫そうなんやけどなぁ? あ、そっか! ほなら、シてもええって事なんかな?」
……そこまで聞くなっ! 流石に意識のある俺にはそうハッキリとそこまで答えられる訳がねぇだろうが。
「だからそこは……検査した結果で……」
俺は食べ物を口にしながら俯きながら答える。
「それに、今は食事中なんだから、そういう話っていうのは後にしろよ。 食事が不味くなんだろ?」
「あ、まぁ、……そうやんなぁ」
そう納得してくれる雄介。
そういう所は雄介っていうのは、聞き分けがいいっていうのかもしれない。
「じゃあさ、気を付けて行って来いよ。 だって、お前等にしてみたら、久しぶりに体も心も頭もゆっくりと出来る時だろ?」
……あ、まただ。 ホント、和也ってそういう優しい所もあるんだよな。
「せやな……リフレッシュも兼ねて、一週間、東京に行って来るわぁ」
「そうしておけって……たまには二人でのんびりとした時間過ごすのもいいと思うぜ。 ホント、この島での生活っていうのは、そういう時間っていうのはなかったからな」
「ああ、まぁな。 ほんならさ、一年に一回位、朔望達にこの島に来てもらって、休憩させて貰いに東京に行くとかっていうのはどや?」
「朔望達だけじゃ、俺達が行けないじゃないか」
「あ、ああ……まぁ、そこは、春坂病院じゃ、基本的に看護師と医者がコンビになっておるんやから、次の時にはその看護師達と一緒に来てもらったらええやんか」
「それも無理なんじゃねぇ? だってよ、他にも受付とか薬剤師さんとか必要なんだしよ」
「あ、そっか……それもそうやんな」
「だろ? だから、逆に言えば、そういう事は雄介達にしか出来ねぇんじゃねぇ?」
「え? あ、まぁ、そうやんな」
でも雄介はそういう風に言う和也の事が心配そうだった。 確かに俺達は朔望達に年に一回この島へと来て貰えば休暇を取る事は出来るのだが、和也達は看護師と受付と両方やってもらってるから無理な所なのかもしれない。 こう何か和也達も休暇が取れる方法を考えているのかもな。
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