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ー鼓動ー29
「でも、ホント、和也……どうしたんだ?」
そう俺はリビングテーブルへと付きながら和也へと話し掛ける。
「へ? あ、いや、何も……って、どういう意味だ!?」
そう目を丸くしてまで俺に聞いて来る和也。
「あ、いや、なんていうのか、和也って空気読めるんだなーって思ってよ」
「それは昔からっしょ!」
そうやって和也は笑顔で返して来る。
……ホント、そういう所、昔っから変わってないっていうのかな?
「え? あ、まぁな……」
……ま、それでいいのかな? そこが和也らしくって。
丁度、俺と和也の話が切れた所で和也がいつものように、
「……で、明日はとりあえず、お前等は前の家にっていうのか、今は朔望達の家なんだけど、そこに行くんだろ? やっぱ、例の地下室に行くのか?」
そうストレートに聞いてくる和也に俺は食べ物を吹き出しそうになっていた。 だってさっきまで真面目そうな雰囲気は何処に行ってしまったのであろうか。 っていう感じだからだ。
本当に和也というのはプライベートと仕事では全然違うんだと改めて思い出させてくれたのかもしれない。
俺からしてみたら今の和也というのは呆れたため息さえも出てしまいそうになったのだから。
俺が黙っていると、っていうのか、そういった問いに俺が答える訳もなく、そこは雄介が、
「せやな……どうなんやろ?」
そうハッキリと答える訳ではなく、俺の方に視線を送って来る雄介。
「……え? あ、あぁああ! お、俺に!?」
「だってな、そうやろ? 俺の方は別に構わへんけど、望から許可貰わんと……」
……へ? あ、ぁああ! そういう事な。
って、雄介の言葉に納得してる場合じゃない。
……雄介が言いたい事が何となくだけど分かったような気がする。 確かに雄介の性格からしてみたら、俺から許可を得ないとやらないって事だろう。
「え? あ……それは……?」
そこで俺は考える。
だってこの俺がそう簡単に素直にそういう事に関して答えられる訳がないのだから。 どうにか上手く誤魔化さないと、絶対に和也の事だから茶化して来るに決まっている。
そう思っていると、いい事を思い付いた!
「あ、あー、アレだな……そうそう! 雄介が検査してみて、何も無ければっていう所かな?」
そう俺はみんなの視線から外してそう答えるのだ。
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