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ー鼓動ー32

 そして俺等は食事を済ませると、ソファでのんびりとテレビを見始める。  こうやって四人集まるとテレビ番組がクイズ番組が多くなったのかもしれない。  番組を見ながらクイズに答えて行く俺達。 そう何でか四人で見ていると盛り上がりる。 分かる問題とかあると四人それぞれ答えが揃って、声なんかも揃ったりして四人で笑いあったり、雄介や和也が間違えると「絶対にそっちの答えが違うからっ!」と言い合ってみたりしているからなのかもしれない。  それからお風呂へと入って部屋へと戻る俺達。 「今日は少しのんびりする事が出来たような気がするわぁ」  そう雄介は部屋へと入ると、ベッドに仰向けになっていた。 「そうだったのか?」  俺も雄介の隣りへと横になるのだ。 「だってな、今日はゆっくりと島の人達と話する事が出来たしなぁ」 「そういや、そんな事言ってたな……で、何を話ししてたんだ?」 「いやぁ、普通に世間話やったなぁ」 「その世間話っていうのがなんなんだよ……って、聞いてるんだけどな。 ホント、雄介ってたまに抜けてんだよなぁ」 「そういう望こそ、たまに抜けてん所あんねんやろ?」 「そ、それは別に、意識とかしてねぇんだけど」 「ま、そんだけ、気抜けてるって事なんやろな?」  そう言いながら雄介はクスクスとしていた。  ……あ、そういう事だったのか。 気が抜けてるから、たまに意識してなかったりしてるのか。  そう今の雄介の言葉でそういう事、分かったような気がする。  ちゃんと気を抜いている時っていうのもあるんだな。  ここに来て、ずっとずっと気を張っていたように思えたのだけど、そういう気を抜いていい所では無意識に気を抜いてたって事になるのかもしれねぇよな。  ……まさか、そういうところ、雄介に気付かされるとは思ってなかったのかもな。  しかしホント雄介って凄いと思う。  あんなに俺達は雄介が医者になるのを反対していたのに雄介は本当に立派な医者になったと今は思ってる。  最初、雄介の場合には邪な考えしかないように思えたのだけど、そう! 雄介は「望と一緒に働けるんなら」という感じだったのに、今では朔望も驚くような医者になっているのだから。  雄介が小児科医になった理由も本当に立派な志望動機だった。  確かに雄介の言う通り、俺は子供が嫌いというのか苦手だ。 そこは小さい頃からそういう環境だったから子供と遊ぶ機会とか交流とかというのがなかったからなのかもしれない。 だから子供が苦手というよりかは扱い方が分からないの方が正解だという事だ。  そして小児科医というのは、一番専門科の中でも大変な仕事だ。 下はまだ喋れない赤ちゃんから診なきゃならないのだから、本当に自分の診断をしなきゃならない。 そう本当に俺が雄介に言っていた決断力というのが必要になって来るからだ。 大人の場合には何処が痛いだの頭に違和感があるだのを医者に伝えてくれれば、そこから診断が可能なのだけど、赤ちゃんというのは話が出来ない。 だから大人以上に診断が難しい科でもある。 そう親だって見える範囲でしか答える事が出来ないのだから、本当に自分の診断が重要になってくる仕事だろう。  しかもその診断を間違えると死んでしまう場合もあるのだから、そういった場合、訴訟問題にも発展してしまう事が多いのだから本当に一番大変な仕事なんだと改めて思うのだ。

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