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ー鼓動ー81
「え? あ、まぁ……そうだな」
こう改めて雄介とゆっくりのんびりとした時間を過ごしていると最初の頃みたいな感じだ。
最初の頃は確かに忙しかったけど雄介は毎日のように家に来てくれて食事を作ってくれたり話をしてくれたりしてオフの時間は完全に二人だけの時間だった気がする。
雄介が特に医者になってからは、オフの時間でも仕事ばかりしていたようにも思える。
だから今回、本当に和也達や朔望達には感謝したい所だ。
雄介と久さしぶりに一緒に話す事が出来て何も考えないでいい時間。
今は本当に心にも余裕が出来ている時間なのかもしれない。
「ほんだったら、ホテル行こっ!」
「はぁいい!?」
その雄介の提案に声を裏返す俺。
「確かにいいとは言ったけどさ、ホテルでっていうのは聞いてねぇぞ」
「あ、いや、そうなんやけど。 やっぱ、朔望達の家だと……その、ゆっくり出来ないんじゃないんかな? って思うてな。 確かにあの家は昔俺等が住んでおった所やねんけど、今は朔望達の家やんか、せやから、ホンマにそういう事してええんかな? って思うてな」
そう真面目に言う雄介の言いたい事が分かったような気がする。
「あ、まぁ、雄介の言う通りなのかもな。 絶対に島に戻って、それについて聞かれた時にめんどくさいしな」
「せやろ? それなら、ホテルにでも行って、家の方は綺麗にしておったら、シたっていうのはバレへんやんか」
「あ、まぁ、そういう事だよな。 ホテルでヤってたなら、ただ単にヤってないと言い張ればいいだけだもんな」
「そういうこっちゃ。 ほな、ホテルでな」
「ああ、そこはそれでいいや」
「んじゃあ、その前にまだ時間ある訳やしアソコ行こっ!」
「アソコって何処の事言ってんだよ」
何となく雄介が言いたい事が分かったのだけど、それは、まだ確信ではない。
そして雄介は俺の側に寄って来て俺の腕を取ると耳側で、
「ローションとか買えて、女性禁制なお店の事やって」
「はぁああいい!?」
俺の方は真面目な表情で雄介の事を見上げるのだ。
「だってな、ローションとかも買わないとならないし、もう、今日っていうのは時間的にも余裕っていうもんがある訳やし、望だってローションが無いと辛いやろ? そうそう! 久しぶりなんやしな」
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