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ー鼓動ー90
そう思って飲食店を探す事になった俺達。
しかし都心部という場所はビルばっかりしかない。
ビルも沢山あるのだけど人々も集まる場所でもあるのだから飲食店も沢山あるような所だ。
「雄介は何が食べたいんだ?」
「せやな? そう聞かれると難しいっていうんかな?」
「え? そうなのか? って何も考えてなかったのか?」
「ま、そういう事やんな」
その答え方に俺の方が転けそうになっていた。
だって、どっか食べに行こう! って言ったのは雄介の方だからだ。
「ほな、望は何処がええ?」
「……へ? 俺!? 俺だって、何も考えてねぇよ。 お昼の事なんか全然考えてなかったしな。 それに、何だろう? 医者っていう仕事をしていると食に関して欲っていうのが無くなっちゃうっていうのかな? だってさ、ゆっくり食べてる時間とかっていうのが実際無い訳じゃん」
「せやけど、島で仕事しとる時っていうのは毎日のようにお昼ご飯食べておったやろ?」
「あー、まぁ、確かにな。 でも、それは出されてるから食べているだけであって……んー、ま、いっか……とりあえず、休憩がてらっていう事なんだし」
「そういう事やんねんなぁ。 ほな、どないする? まぁ、この時間やと結局どの飲食店でも待ちになってまうんやろうけどな」
「あ、そっか、逆に今お昼過ぎたばっかりだしな」
そう言うと俺は愛用の時計に視線を移す。
時間の方は十三時ちょっと前だった。
「まぁ、ちょいメインの時間は過ぎてはおるけど、まぁ、まだまだ時間的には混んどる時間やしな」
「まぁ、じゃあ、その辺のファミレスでいいんじゃねぇ?」
「あ、まぁ、そうやんな。 って、この辺にファミレスなんか無いんと違う?」
確かに俺は提案した事だったのだが、そんな事を確かめずに言ってたら雄介の言う通り、今俺等がいる地点からは全くもってファミレスという文字が見えてないようにも思える。
「まぁ、あって専門店ばかりやんなぁ。 パスタとか牛丼とかラーメン店とかかな?」
「この辺ってそういうもんなんだな。 ファミレスって言ったら結構あると思ってたんだけどな」
「確かにな。 ほんで、どないする?」
「パスタ辺りでいいか?」
「せやね……とりあえず、休憩がてら食べられればええっていう事やしな」
「そういう事だ」
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