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ー鼓動ー111

「ほんなら、明々後日からどないすんねん」 「あーん……」  雄介にそう言われて俺の方は腕を組んで天井を見上げてしまう。 「俺等って、元から忙しい人間だったからさ、こう時間を潰すのって苦手っていうのか、そんな感じじゃねぇ?」 「ま、確かにそれはあるなぁ」 「ま、若い頃やったら、プールとか行ったりして、時間とか潰すの得意だったのかもしれねぇんだけど……その、オジサンになってくると、遊ぶのも難しくなってきたっていうのかな?」 「んー、せやな? 本来ならもっと若い頃に遊んでおけば良かったのだろうけど、その若い頃っていうがめっちゃ忙しかった時期やったからなぁ、でも、オジサンになったって遊んではいけないルールみたいなのは存在しないやろ? さっきだってカラオケに行ったんやしな」 「え? あ、そうだな」 「それに、まだ自分の事をオジサンっていうのは早いんじゃないんかな? って思うねんけど。 って、もう、望はオジサンっていう自覚あるもんなんか?」  そうクスクスとしている雄介。 「え? あ……」  確かに自ら俺はオジサン発言をしていたような気がするのだけど、それを他人から言われると恥ずかしくなって来た。 「せやろ? まだオジサンじゃないと思えばオジサンじゃないと思うねんけどなぁ。 ま、そこは物は考えようっていうもんやろ? オジサンやって思うんやったらオジサンになってまうんやし、オジサンじゃないと思えばオジサンではない訳やしなぁ」 「え? あ、まぁ、そういう考え方っていうのもあるのかもな」 「ま、俺はまだオジサンではないって思うとるけどな。 ま、もう、確かに琉斗がいるから伯父さんではあるんだけどな」 「プッ! あ、まぁ、確かにそうなんだけどな。 叔父さんとオジサンでは何か違うって事か?」 「なんや、そんな気がするわぁ。 叔父さんの方は血縁関係の方の叔父さんになるし、オジサンの方は年齢の方のオジサンって感じがするしなぁ」 「ま、それはあるのかもな」 「せやから、望はその年齢の方のオジサンの方を言っておる訳やろ?」 「まぁ、そういう事なんだけどさ」 「せやから、そういう風に自分の事をオジサンって考えない方がええんと違う? それこそ、ホンマにオジサンになってまうで」  そう雄介は半分冗談で言っているのか笑いながら言っていた。 「まぁ、でも、ホンマにどないする? 確かに和也達には、俺が病院に行く為に一週間、時間を作ってくれたっていうんか、定期便が一週間に一回しか出ておらんから、一週間休みみたいなのになったんやけど、ホンマこれからどないする?」  雄介はパフェを食べ終えたのか、今度はコーヒーを啜りながら聞いて来る。  ……ま、でも、パフェを食べ終えてからのコーヒーなのだから冷めているとは思うのだけど。 「え? あ、そうだな」  また、その話は振り出しに戻されてしまった。

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