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ー鼓動ー124

 それに俺は雄介の肩に手をついてまで背中を反らしてしまっていた。  雄介はそんな俺に見上げて微笑んでいる。 「久しぶりやのに……気持ち良さそうで良かったわぁ。 ほな、もう片方の胸も可愛がってやらんとな」  そう言うと雄介はもう片方の胸の突起を口へと含みさっきしたみたく舌を使って舐めたり吸ったりを繰り返す。 「ぁ……ん! んん!」  さっきは意識しないうちに声が出てしまっていたのだけど今はもう意識する事が出来るようになってきたからなのか、声を抑えてしまっている俺。  それでも雄介は気にしない。  普通の男性ならそこで「もっと声出して……」とかって言うのかもしれないのだけど雄介は優しいからなのか、そういう事は一切言って来なかった。  部屋内には雄介が俺の胸の突起を舐める音だけが響いている。 次第に聴覚をも刺激してきて俺の腰はもう勝手に揺れ出して来ていた。  そうだ……もう俺の体は次に何が起こるか分かってるからなのかもしれない。  胸の突起も気持ちいいのだけど、蕾の中にある気持ちがいいポイントには負ける。 いや圧倒的にそっちの方が気持ちいいという事を俺の頭も体もよく知ってる事だ。 それに期待してきっと体が勝手に反応しているという事だろう。  その腰の動きに雄介はまた微笑み何も口にしない。  それがいいのか? 嫌なのか? 分からなくなってくる。  だって今の状態だと雄介だって何も話さない状態なのだから、少し寂しい感じもあるからだ。 「なぁ……もう……望のモノの先端から透明な液体が出てきておるで」  その雄介の言葉に俺の顔は一瞬にして赤くなったのが分かった。  しかも雄介はそれを指先で掬い舐める仕草を俺の目の前でやっていた。 「ちょ、雄介っ! ヤメっ!」 「たまにはこういうのもええやろ?」  ……ええやろ? じゃない! 本当に恥ずかしいんだからっ!  そう叫んでやりたい所だけど今の雰囲気を壊さない為にも言わない方がいいと判断した俺。  そこは少し成長出来たのかな? 「しかも、俺の足に擦り付けるように腰振ってるんと違う?」  何も言わなかった俺に対して調子に乗った雄介はそんな事まで言ってきていた。 「ちょ……いい加減っ!」  俺は息を乱しながらも雄介の事を睨みつける。  だけど今これをやってる時点でそれは逆効果だったらしい。 「いつも俺が我慢しとったけど、今日の俺は我慢無しや。 今日はとことん俺に付き合ってもらうで……」  そう言うと雄介は俺の唇に唇を重ねてくる。 そして俺の口内に舌を入れてくるのだ。

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