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ー鼓動ー166
ベッドの端に座っている雄介と目が合う。 すると雄介はいつもの笑顔で、
「おはよう。 なんや、今日は望の方が早かったんやな」
「え? あ、おはよう。 え? あ、そうだな」
そう俺の方も挨拶で返す。
「あ、今日はホテルに来てたんだっけな」
俺と同じ事を思っていたらしい。
「うん……まぁな……」
そして雄介はまだ気付いてないのであろうか? 昨日、あの後そのままの状態で寝てしまったのだからまだ裸だって事。 これがもし昔の俺なら雄介に「早く着替えて来い!」と言っていたのであろうが、何だか今はその光景が逆に笑えてくる。
「クスクス……雄介……いいのか? そのままでさ」
「……へ?」
そう言うと要約気付いてくれたらしく、
「あ……まだ、裸のまんまやったわぁ」
「だろ? クスクス……」
そんな雄介が今は可愛くて仕方がない。
雄介って真剣な時には真剣なんだけど……こう気が抜けている時というのは結構天然な所があるのかもしれない。
「あー、ほな、着替えたりしてくるな」
そう言うと雄介の方が恥ずかしそうに洗面所の方に向かって行った。
……そっか……雄介もそういう所恥ずかしかったりするもんなんだな。
未だにさっきの雄介の顔が可愛くて思い出すと笑えてくる。
そして雄介の方も身支度を整えてくると、いつもの雄介になっていた。 寝癖はキチンと直されていて洋服だって着ている。
「ほな、行こうか?」
「あ、そうだな……。 で、今日はどうするんだ?」
「あ、えー、そうやな? 全く俺は何も考えてないで……」
「俺が何か考えてる訳ないだろ?」
「ま、ええわぁ……先に飯でも食うてから考えようか?」
「そうだな……」
そう言うとホテルの部屋を後にする。
ここのホテルは料金は後払いだった。
フロントで料金を払うと外に出る。
すると朝の太陽の光が俺達の元へと届き眩しさを感じる。
ホテルというのは全く太陽の光等は差し込んで来ない。 だからなのか余計に眩しく感じてしまっているのであろう。
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