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ー鼓動ー195
それから俺達は食事を終わらせ時間になると病院へと向かうのだ。
とりあえず今日は雄介の検査が目的で予約票の紙を見ると最初は診察ではなく検査の方に行くように書いてある。
「へぇー、そんな風に書いてあんだな」
「ああ、そうなんやで。 ま、望は入院した事あってもこっち側には来た事ないって言うてたから知らんかったのかもしれへんけどな。 診察券をこの機械に入れると予約票の紙が出てきて今日の予定みたいなのが書いてある紙が出てくるんや」
「へぇー……」
「ほな、最初は検査室な」
と雄介は慣れたように病院内を歩き始める。
雄介は患者さんとしても何回もここに来ていて、そして医者としても働いていたのだから完全に建物内の事については詳しそうだ。
俺は表側からはあまり動いた事がないからなのか雄介に付いて行くしか今はなかった。
「この階段から下に行くと近いんやで」
「え? そうなのか?」
そう感心しながら付いて行くと本当に早く目的の場所に着けたような気がする。
MRI室の前で待つ俺達。
……あ、ヤバっ!!
よくよく考えたらここは昔働いていた病院なのだから知り合いは沢山いる事を思い出した。
俺は体を縮めて身を隠すようにしていたのだけど雄介の方は違うようだ。
「よっ!」
って声を掛けちゃっている。
だけど流石に向こうは仕事をしていのだから、そんなに長くは話していられないと思ったのであろう。 軽く会話をすると行ってしまっていた。
「なぁ、俺……外で待ってていいか?」
「なんでなん?」
「いやぁ、流石にココにいるのは恥ずかしいっていうのかなんていうのか……今だって知り合いが居ただろ? 俺達が一緒にいるのって変じゃなのか? そりゃ、新城先生は事情を知ってるからいいけどさ、他のスタッフさん達は俺達の事情は知らないんだからさ」
雄介はその俺の言葉に少し考えると、
「そうなのかもしれへんな……ほな、どこで待っとる?」
「あ、えーと……」
そう聞かれても待っていられる場所が見つからない俺。
……そうは言ったもののどうしようか?
もし車があるならばく車で……って答えられるものの今はその車さえない。
……あ、でも……雄介の検査結果知りたいし。
雄介に付いて来たのはその理由もある。
そうなるとやっぱ雄介と一緒にいるしかないのかな?
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