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ー鼓動ー214

「ほんなら、コスプレは?」 「こ、コスプレ!? 今日のお前変だぞ……俺がそんな事する訳ねぇだろ!」 「いやぁ、たまには変わった事してみたいっていうんかなんていうんか? せっかく、今日はこの地下室におるんやし、何でも揃ってるって訳やしなぁ、ほらほら、親父さんがせっかく用意しておるんやし、久しぶりに思いっきしやってみたいっていうんか……変わった事してみたいっていうんか、せめて、何かやらへん?」 「変わった事ってなぁ? 他に何かあるのかよ」 「自分でヤってみたり、コスプレしてみたり、後は拘束っていうのもええんやない? あー、でも、それやとな、望にギュッってしてもらえないしな」 「そう考えると、全部出来なねぇな……だから、却下。 普通にでいいって言ってんだろ」 「ぇえー! せっかく、望からその気やのに? ほんだったら、ホンマ他に変わった事してみたいやんか。 望からしたいって言ってくれるのなんてそんなにないんやからな。 な、せめて何かその中から一個やってきれへん?」  そう雄介は手を合わせてまで俺に言ってくる。  ……そう考えると、何がいいって……コスプレなのかな?  ……コスプレなら、ただ、服に着替えるだけでいい訳だし、自分でするのは流石に恥ずかしくて結局出来ないのがオチなんだろうし、拘束もな……確かに雄介の言う通り、雄介の体を掴めないのは……嫌だかな?  そう考えるとやっぱりコスプレが一番いいみたいだ。 「なら、コスプレ……かな?」  と答える。 「コスプレでええ!!」  そう嬉しそうに答える雄介。 「……って、コスプレしてどうすんだよ……ただ服に着替えるだけだろ?」 「ま、それは着替えてからのお楽しみっちゅう訳で。 ほなら、どうする? 望も衣装部屋に行くか?」 「いやいいよ。 雄介が何か適当に選んできてくれればさ」 「ほなら、俺が選んできたもん着てくれるんか?」 「え? あ、それは……」  そう考えていると、 「だって、望はその衣装部屋に行かへんのやろ? それやったら、俺が探してきたの着てくれへんと一人で行った意味がなくなるやんか」 「あ、まぁ……」  とりあえず、まだ納得出来ないのだからそう曖昧な返事をしておく。

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