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ー鼓動ー226

「ほなら、今日は本気でどないするん?」 「へ? あ……そうだな。 だから、それは……雄介がいつものように……」  雄介でそう本気で聞いてきてくれるなら俺の方も本気で伝えたつもりだ。 「それならそれでええねんけど。 まぁ、敢えて言うんやったら……たまには俺のわがまま聞いて欲しいって言うんかな?」  そう最後の方は言いにくそうに言っている雄介。  ……雄介が俺に対して言いにくい事ってなんだろ? 「え? それは……?」 「あー、んー……それな……? 望が嫌やったらええねんけど……」  ……ほらやっぱり言いにくそうにしてる。  そして何か考えてる時は雄介って頭を掻くんだよな。  暫く沈黙が流れた後、 「あー、そのな……今日は望に乗っかって欲しいっていうんか……? 動いて欲しい? っていうんか?」  その言葉に俺の中ではハテナマーク状態だった。  俺は雄介に向かって首を傾げる。 「あー、ほら……どう説明したらええねんやろ?」  そう視線を俺から外して未だに頭を掻き続けている雄介。 「そのな……いつもは俺が動いてるだけやんか……せやから、その……望が動いて欲しいっていうのかなんていうのか……」  さっきと同じ事を言っている雄介。  何だか雄介って困ってる様子に段々とこっちは笑えてきた。 ただ爆笑って程ではない。 クスクス程度であろうか。 「お前がそう俺に対して困ってる姿って案外可愛いのな」 「え? あ、ぅん……? そういう訳じゃなくてな……あー、もう、どないして望に伝えたらええねんやろ?」 「大丈夫……もう、雄介が言いたい事分かったからさ……そりゃ、最初は本気で分かってなかったけど……だいたい分かってきたって言うのかな? そうだな……たまには俺が動くっていうのもいいのかもしれないよな」  そう俺はあっさりと承諾するのだ。

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