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ー鼓動ー236
とりあえず、片目だけ……。
そう思って俺は片目だけを開けてみる。
当然、目の前にいる雄介は気付く訳で、
「片目やなくて、両目共やからな……」
……だよな。
もう仕方なく俺は両目を開けるしか今はなかった。
でも流石に自分がしている姿を直視出来る訳もなく、ただ雄介の方に視線を合わせる事しか今は出来ない。
そんな中でもそれをも指摘してくる雄介。
「俺の方を見てくれてるのは全然ええねんけど……望は自分がヤってる姿を見てやって欲しいねんけどなぁ」
「あ、うん……」
そうは答えてみるもののやっぱり自分の見ながらなんて事は流石に出来ない。
怖いというのか恥ずかしいの方が上回ってるからだ。
そこで流石の俺も根をあげる。
「あ、ごめん……雄介……流石にそれは出来ない」
……果たして雄介の口からどんな答えが返って来るのであろうか?
しばらくの間二人の間に沈黙が流れる。
「まぁ……望やったら、そん位が限界なのかもしれへんな。 ま、今日は自分の中に指は入れる事は出来たし、撮影もさせてくれとるし、今日はここまででええと思うわぁ」
その雄介の言葉にホッと胸を撫で下ろす俺。
流石の雄介の方も俺が根を上げたのだから、これ以上は本当に無理だと思ってくれたのであろう。
「ほな、ココに指を入れる事は続けてくれな。 指の本数やってちゃんと増やしていくんやで……」
「え? あ、うん……」
ま、雄介の方もそこで折れてくれたのだから、俺の方もここで頷くしかないだろう。 そう思い中に指を入れる行為だけは続けていた。
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