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ー鼓動ー235
そういう事、和也の口からはよく聞くのだけど雄介の口からは今までそんな事言った事もなかったしやった事もない事だった。
……本当に今日の俺……雄介に試されてる!?
俺は雄介が携帯を取りに行っている間ひと息吐く。
そうだ今日の雄介の思惑に気付いてしまったからなのかもしれない。
……ま、いいけどな。
暫くすると雄介が戻って来て、さっき言った通りに手には携帯が握られていた。
今の携帯というのは動画は撮りたいだけ撮れる。 ひと昔前の携帯だと動画で撮れる時間というのは決まっていた。
たった十五秒だ。
お前はCMかいっ!! という時間位しか撮れなかったのに今ではギガ数を超えなければ可能となったという所であろう。
俺達はそんなに携帯の動画なんて使った事もなく、全然ありそうだ。
特に俺達はそうなのかもしれない。
カメラ機能さえも使った事がない俺。 雄介の方はそこの所どうだか分からないのだけど。
「ほな、ええで……」
そう言って雄介は携帯を構える。
流石に素の状態で自分で自分の中に指を入れていくのは恥ずかしい。
でもっ! 今日は雄介に試されているのと、今日は雄介と約束したからやらなきゃいけない状態でもある。
意を決して中指を自分の蕾の中へと入れていく俺。
当然、未だ目を閉じている。
そんな自分の姿なんか見たくない。 それもあるのだけど恥ずかしいという心が一番なのかもしれない。
「目閉じないでな……」
……あ、やっぱり気付かれた? だよなぁ。 でも、そんな事、俺には絶対に無理だ! 今だって指を自分の蕾の中に入れるのだって精一杯なのに目を開いてなんて事は無理に決まっている。
……でも、今日は雄介と約束している。 試されている。
と分かっている今では雄介の指示に従うしかなかった。
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