242 / 855

ー鼓動ー242

「だって、それはお前がしつこ過ぎて……激しかったからで……」  そう雄介の目を見つめて言う。 「だってな……今日の望はそうなんやろ? 激しくしてもええちゅう顔しとったし……それで俺が我慢出来んくてな……」  その言葉に呆れたというのか仕方ないようなため息を漏らす俺。  ……だって、今日の俺は俺が雄介の事を誘ってたんだしな。  という思いだったからだ。 「ほんで、次はどないする? まだ、望のモノ勃ってこないやろ?」 「え? あ、まぁ……俺だって若くはねぇしな……そう簡単にはもう勃たないんじゃないのか?」 「さて、それはどうなんやろ? そこの所はヤってみないと分からへんやろ?」 「じゃあ、どうしたら俺のも勃つんだろうな?」  と俺は雄介に仕掛けてみた。  雄介が俺に聞いてきたのだから逆にそうけしかけてみる。  そしたら雄介はどうしてくるのか?  たまにはそういう駆け引きも面白いのかもしれない。  そしたら案の定、雄介は考えている。  だって雄介はそういう駆け引きみたいなのは和也みたいに勘は鋭くはない。 それに雄介は素直な性格だ。 だから気付いていないのかもしれない。 「ほな、やっぱ、中に指を入れて中にあるポイントを刺激して……」  ……ほら、やっぱり雄介の事だからそう素直な答えが返って来た。 「なら、そうすればいいんじゃねぇのか?」 「せやな……」  とどうやら俺の考えていた事には気付いてないようだ。  それなら後の事は雄介に任せよう。  だが雄介は急にベッドの上から立ち去る。  俺はそれに気付き半身を少し起こす形になって雄介の様子を目で追っていた。  すると雄介は棚にある玩具を手にしていた。 「ちょ、雄介っ! それは使わない方がいいって言ってなかったか?」 「あ!」  という事は完全にそに事を忘れていたのであろう。 「ほなら、待っておって……」  そう言うと雄介は裸のまま部屋を出て行ってしまったのだ。

ともだちにシェアしよう!