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ー鼓動ー264
と何故か少し考えた後に、
「ん? まぁな……って言うても高校生の頃やけどな」
「へぇ、そういうバイトみたいなのはした事があるんだな。 俺はないからなぁ」
その言葉に雄介は俺の事を目を丸くしてみてきたのだけど、
「あ、そうやったな。 まぁ、望の場合にはしゃーないんやない? ずっと、勉強してきたんやろ? 特に学生の頃っていうは、それにバイトせんでもお金に困った事なさそうやしな」
「え? あ、まぁ、そうだな……確かに学生の頃は勉強ばっかりだったし、バイトしなくてもお金があったのは確かだしな」
「せやろ?」
「他にバイトした事あんのか?」
「いや……他にはないのかもしれへんなぁ、俺やって暇と小遣いかせぎ出来たのは高校生の頃位やったしな……大学は勿論その消防大学校の方に行っておったしなぁ」
「そうだったのか、消防士にも学校っていうのがあるんだ」
「警察官やって学校あるんやで。 まぁ、望の場合にはある意味世間知らずのお嬢様っていう状態やろうからなぁ、んまぁ、正確には世間知らずなお坊っちゃまか、せやから、色んな事これから教えたるって言うとるんやけど」
「まぁ、確かにそうなのかもしれねぇけど、何だろ? なんかその言い方腹立つんだよなぁ」
「あー、流石に言い方悪かった。 ん、まぁ……せやね」
と雄介は何か言葉を繋げようとしていたようなのだけど、なかなか出て来ないようだ。
「ん、まぁ……まぁ、とりあえずなぁ、俺が色んな事教えたるから」
「……って、三日後には島に帰るんだぞ。 島で教えてくれる事なんかあるのか?」
「あー」
と少し考えてる雄介。
「あー! あった!」
そう雄介が言った直後、頼んだメニューが運ばれて来る。
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