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ー鼓動ー263
お店に入って雄介は店員さんがいるレジでメニューを選んで頼んでいるようなのだけど俺は雄介の後ろでどうしたらいいのか? と迷っていた。
すると、そんな俺に雄介は気付いてくれたのか、
「ほな、望は俺と一緒のでええか?」
と振って来てくれる。
「え? あ、うん……!」
と答える俺。 ホントこういう事は雄介に任せるしか今はなかった。
そして雄介がそれらを頼むと俺達はジュースだけを店員さんに渡され席へと着く。
これはファミレスの時とは逆なような気がする。
ファミレスの時は最初に席を店員さんに案内されてそれからメニューを席で選ぶのだけど、こういうファーストフード店では先にメニューを選んでから後は空いてる席で店員さんが持って来るのを談笑でもしながら待っているという所だろう。
「へぇー、ファーストフードはファミレスとは違うシステムなんだな」
「あ、そやなぁ。 そう言われてみればそうやと思うわぁ。 今までそないな事、気にした事もなかったしな。 まぁ、望の場合、ファーストフードが初めてやったから気付けた事なんやなぁ」
「あ、まぁ、そうなのかもしれねぇな。 それで、頼んだメニューっていうのは?」
「……へ?」
「だって、雄介は何か頼んだんだろ?」
と雄介の方は吹きそうになっていた。
「あ、まぁ、ファーストフードに来た事がないんやったら当然なのかもしれへんけど、ん、まぁ……店員さんが席まで運んで来てくれるんやで」
「へ? そうなのか? でも……店員さんもよくお客さんの顔覚えてるよな?」
また飲み物を吹き出しそうにしている雄介。
「そ、そういう事じゃなくてな……コレ!」
と言ってテーブルの上に置かれた番号が書かれた札のような物を指差す。
「ん? コレ?」
まだ意味が分からなそうに聞く俺。
「せやから、こに番号札みたいなのをお店のレジの時に打っといて、お客さんに渡す時に間違わないようにしておくんやって、あ、まぁ……多分な、今はそうなのかもしれへんけど、昔は紙に書いてたもんなんやで」
「……って事は雄介はファーストフード店で働いた事あるのか?」
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